青い風に、この歌を。

□第一章 -久しぶりの外-
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「…ん…」

目を開けて辺りを見回せば、薄暗くて狭い地下室。
そこまではいつもと同じだったが、ただひとつ違う光景が、今日はあった。

ソニック「…クゥ…クゥ…」

青いハリネズミが、部屋の壁に寄りかかって眠っている。

「……。」

しばらくソニックを眺めた後、近づいてソニックの肩を揺らす。

「ハリネズミさん。朝だよ…たぶんだけど。」←

ソニック「…んぅ?もう朝か…ってか、何だよその呼び方;」

「昨日も言ったはず。僕は君を信じていない。だから君の名前は呼ばない。」

感情のこもっていない目で、ソニックを見るシエル。

ソニック「そうか。じゃ、早く信じてもらえるようにしなくちゃな(ニカッ」

「…。」

ソニック「それより、早くここから出ようぜ?よくこんな窮屈なところにいられるな…」

「……。」

ソニック「さ、いこうぜ。」

そう言って手を差し伸べるソニックを無視して「早く出して。」と無愛想に言うシエル。

ソニック「Oh…連れないねェ(苦笑」

ソニックは差し伸べた手をシエルの腰と膝裏に回して持ち上げる。

「なっ…!お、降ろして!不安定だ!」

ソニック「No problem!しっかりつかまってろよ!」

刹那、ソニックは風のごとく走り出し、地下室を抜けて外へ出る。





しばらく走り、ソレアナの街の中心部へ出た後、ソニックは横抱きにしていたシエルを降ろす。

ソニック「さーて、着いたぜ。」

「…ここが、街…。」

ソニック「?どうしたんだ?」

「…太陽の光、暖かい…。風が、気持ちいい…。」

長年地下室に閉じ込められていたシエルにとって、外の空気は楽園のような心地よさだった。
そのためか、シエルの表情が一瞬和らぐ。

ソニック「……!///(トクン」

ソニックの頬が、ほんのり赤く染まる。

「…ハリネズミさん?」

ソニックのほうを向くシエルの顔は、元の無機質な表情に戻っている。

ソニック「あ…sorry.ちょっと考え事してた。」

「…ふぅん。」


シエルの無関心な返事の後、二人は3時間後にこの噴水の前で待ち合わせることにし、エッグマンの情報を集めに行った。
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