龍神様の夢の跡

□4 花開院という者
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清「陰陽師……?花開院さん!?今、確かにそう言ったんだね!?」


興奮を抑えきれていない清継君の声に花開院さんはコクンと頷いた。


清「じゃ……じゃあ……こいつは今……まさか……」


人形「シャァァア!」


家「うわっ!やっぱり妖怪なんだぁ!」


『……みたい……だね?』


かなちゃんは飛び退いたが、私は常に妖怪(フォン)が一緒に居るからか、それとも数日前の事件で妖怪を見すぎたせいか、そこまで妖怪を見つけたことに関して感動を覚えてはいない。


むしろご退場願いたい←


清「ほ、本当だったんだ!!陰陽師ってことは………妖怪も!!」


うぉぉぉ!素晴らしい!と叫びまわる清継くん。
そして陰陽師と聞いてからか、私の鞄はプルプルと小刻みに震えだした。


恐らく中でフォンが丸まって怯えているのだろう。


なんせ妖怪と陰陽師は言うなれば天敵同士。
とにかく、フォンの存在に気がつかれればフォンまで滅せられてしまう。


私は鞄をぎゅっと持ち直し花開院さんを警戒する。

早く………早くこの場から逃げなければ。



『…あの!清継くん!今日はそろそろかえ………』


清「清十字怪奇探偵団ここに始動だーーー!!」


遅かったぁぁぁ!!←


本格的に始動しちゃった上に結局、私はその探偵団の名誉団員として妖怪の主探しに尽力しなければならなくなった。



_______


フォ「む、無理だみゅ!消されるみゅ!滅されるみゅ!」



『……しょうがないじゃん。結局、無理矢理入れられちゃったんだし』


帰宅後、案の定鞄で丸くなって震えていたフォンを取り出して清十字怪奇探偵団に所属したことを報告すると全力で否定された。



フォ「あ、あんな狂暴な陰陽師娘と一緒に居るくらいなら、捩眼山で遭難したほうがマシだみゅ!」


『山で遭難したところでお前は飛べるだろうが』


フォ「そりゃそうだけど、あそこは普通の山とは訳が違うみゅ!何て言ったってあそこには牛鬼が………」


『はいはい。牛鬼でも馬鬼でもなんでもいいけど、どのみち学校では花開院さんと会う機会あるんだから諦めてよね』



おやすみ〜と布団に潜り目を瞑る。


フォ「そ、そんなみゅぅぅぅう!」


フォンの悲痛な叫び声は真っ暗な部屋にいつまでも響き続けたとか……。
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