龍神様の夢の跡

□1 終わりは始まりの鐘となる。
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__カチッカチッカチッ……………


規則正しく鳴り響く時計の音に目が覚める。
ゆっくりと目を開くと、まず真っ白な天井が目に入り、視界の端でフサフサとした何かがぴくぴくと動いていた。


『……ん?』


気になってそのフサフサを掴んでみた。
手触りは最高で、モフモフとしており暖かい…………まるで何かの尻尾のような………



「っ!ふぎゃぁぁぁ!!俺の尻尾に触るんじゃないみゅ!」


『う、うわっ!?』


なんとフサフサと動いていたものはやはり尻尾だったらしく、その尻尾の持ち主(?)の小さな狐は大声を上げて飛び上がった。


ん?狐が大声……?


『き…………狐が喋ったぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』


えっ!?ほら!今喋ったよね!?
コンコンとか何でもなく日本語じゃべってたよね!?しかも標準語!←


「いきなりなにするんだみゅ!!狐が喋っちゃいけないなんてルールはないはずみゅ!人種差別みゅ!」



『いや確かにルールはないけど…………しかも人種って、あんた狐じゃん』←



私が冷静にツッコミを入れると狐は「それもそうみゅいね!」と返してきた。

いやいや。"驚いた!今初めて気がついた!"みたいな顔してこっちを見られても………。


『というか、君は誰?一文字以内で答えて』


「ちょっと待つみゅ!?もはや喋らせる気ゼロ!?」


「いけないいけない。冷静になるみゅい」と小さく呟き、こほんっと軽く咳払いを一回した。


「俺は【フォン】見ての通り妖狐だみゅ!」


フォンと名乗ったその狐は七本のフサフサな尻尾をバラバラに動かし自分を妖怪だと紹介した。


『えっ……?君、妖怪なの………?』


どうみたってそうは見えない。
どちらかというと100円クレーンゲームの景品の狐のぬいぐるみって感じがする←


フォ「みゅ!!見たまんまだみゅ!それより………君が夕凪美亜みゅいね。」


『えっ?なんで私の名前……』


フォ「雷龍様から話は聞いてるみゅ。ここが今日から君の家。俺は君のお世話係兼護衛をするみゅ!これからよろしく頼むみゅ!」


雷龍……。なるほど、やはりあれは夢では無かったらしい。


『うん!こちらこそよろしくね!ええっと…お世話係兼雑用係のフォン君!』←


わざと間違えてからかってみる。
するとフォンは分かりやすくうろたえ始めた。


フォ「ざ、雑用みゅ!?初対面でいきなり雑用係に任命されたことなんて初めてだみゅ」


『あははっ。嘘!よろしくね!お世話係兼護衛係のフォン』


屈託の無い笑顔で握手をしようと手を伸ばす。
フォンは手を伸ばすが何かを察したのか、一度手を引っ込めたあと、勇気をだして再び私の手へと自分の手を乗せた。


なんで護衛とかいるの?とか、なんで狐なのに羽生えてるの?とか、いっぱい聞きたいことあるけど………とにかく視界は開けた。










『私はこの世界で頑張っていける』

『この子とならきっと。』
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