龍神様の夢の跡

□5 窮鼠、猫を食らう。
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日曜日。

奴良くんの家にお邪魔することになった清十字怪奇探偵団。


しかし………。


『………いや、まさか奴良君のお家が斜め向かいさんだなんて知らなかったんだ。ホントに』←


そう。やけに立派なお家が斜め向かいさんにあるな………と思ったら奴良君のお家だったらしい。
金曜日一緒に帰っていて初めて気が付いたのだ。


その事をかなちゃんに言ったら凄く羨ましそうな顔をされたのは………うん。見なかったことにしよ。←


私たちの前を歩く気合い十分な清継くんが島くんに問題を出している。


そして奴良君のお家の前に着くと清継くんが大きな扉を叩く。



ギィィィ


しばらくしてから重たい音を立てて空いた扉から奴良君が顔を出してお迎えしてくれた。


奴「ごめんごめん遅くなっちゃって………」


清「ホントに遅いぞ奴良君!!さっさと案内したまえ!」



何でお前は上からなんじゃ。←


清「妖怪屋敷で妖怪会議だ!!」


『こらこら。縁起でもないこと言わないの』


_____


私達は大きな和室に通されてゆらちゃん(本人から了承を得ての名前呼び)のありがたーい妖怪講義を正座で聞いている。
ちなみに奴良君はなにやらすごい色気のあるお姉さんと一緒に外に出たきり帰ってこない。



『(あ、足が………足がぁぁ!!)』


げ、限界だ………!
勢いで正座したものの私は正座が大の苦手で2分と持たない。←
早く足を延ばさなければ一時間は使い物にならなくなる!←


とはいえ中々足を変えるタイミングが………!



花「この家………どうも変ですね……」


そう呟いて花開院さんは立ち上がるとあろうことか部屋から出ていってしまった。


清「け、花開院さん!?こうしちゃいられない!ボクたちも行こう!」


皆次々と立ち上がり部屋の外へと出ようとする。
それを止めようと立ち上がろうとすると足に凄い痺れを感じてたち膝の状態で固まった。



『ぐおぉぉっ!』



しかもあまりの痺れ具合に変な声まででた。←



家「美亜ちゃん!?だ、大丈夫!?」


『だ、大丈夫大丈夫。足がちょっと痺れちゃって………先に行ってて……』


それ絶対ちょっとじゃないみゅ………と鞄から小さく聞こえるので鞄を一回持ち上げて上から落とす←

ぐへっ!と聞こえたけど聞こえなかったことにしよう。



奴「やぁみんなお待たせ」



やっと奴良君が帰ってきたが、彼は目を丸くした。
そりゃそうだろう。皆居なくなってるし、残ってるのは変に立て膝のポーズで固まっている私だけなのだから。



奴「夕凪さん!?皆は!?というかなにやってるの!?」



『………慣れない正座したせいで足が痺れて動けない………あ、皆はどこかに移動したよ。怪しいから家の中拝見するって………』



それを聞いたとたん、奴良君は顔を真っ青にしてどこかへ走っていった。


待てお前ら。私を放置するんじゃあない←



ガラガラガラっ



「おい。人間たちが居なくなったぞ………」



急に扉が開きそこから出てきたのは男の人。

普通にイケメンだし、なんらおかしなところはない。



……………首が繋がっていれば。



「………あっ」



目がバッチリあった。合ってしまった。



『……おじゃましてます』


とりあえず、叫ばず頭下げておこう。

私のこの生まれたての子羊のような足ではどうあがこうと逃げ場はない。

=この状態で襲われたらマジで死ぬ。


「ご、ごゆっくり………」


男の人は顔をひきつらせながら元の部屋へと戻っていった。



……………。



『………見てない。私はなんにも見てないぞ』



そう自分に言い聞かせた美亜だった。
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