龍神様の夢の跡
□3 旧校舎での攻防
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___今は使われなくなった旧校舎に妖怪が出る。
誰だ。そんなバカな噂流したのは。
その噂に踊らされて今、私は旧校舎に向かってるんだぞ。
フォ「美亜!やめとくみゅ!あそこかなりの妖気を感じるみゅ!」
鞄の中からフォンが頭を出して必死に止めようとしている。
『…私だって出来ればいきたくないよ。でも、かなちゃん達と約束しちゃったし………』
フォ「そんな軽い気持ちで妖怪探しなんてするもんじゃないみゅ!只でさえ龍神の血を引いているお前は狙われやすいのに!」
『それ。ずっと気になってたの。龍神の血って何?なんで狙われなきゃいけないの?』
あの精神世界で会った雷龍はこう言っていた。
「お前さんには龍神の血を継いでもらう。狙われるかもしれないがそれも宿命だ」と。
フォ「雷龍様から聞いてないみゅいか!?
美亜が死んだのを哀れに思った雷龍様が自らの血を美亜に分け与える事で、この世界に蘇らせた。つまり、美亜は龍神の血を4分の1も引いてるみゅ!」
私が旧校舎に向かって足を進める中、それから。とフォンは付け足して話を続ける。
フォ「龍神の血を持つものというのは昔から特別な力を持つみゅ!まだ、お前が何龍かまではわからないけど。
例えば、水龍の肉を喰えば不老不死になれる。とか火龍の血は飲んだ者の畏を何倍にもする。とか…………。とにかく、妖怪にはお得な能力ばかりみゅっ!」
それを聞いてパタリと足を止める。
そして鞄からフォンを掴みとると上下に激しく振り回した。
『なんでそれを早く言わないの!?今から私戦場に赴くのに!!』
フォ「うっうえっ………お、落ち着くみゅ…………き、気持ち悪い………俺、リバースしそうみゅ……」
『私がリバースしたいよ!!』←
はぁ……。とため息をついてからフォンを解放する。フォンはふらふらと宙をとんだあとパタリと私の肩に落下した。
フォ「た、多分……まだ大丈夫みゅ……。まだ、美亜は龍神として覚醒してないから………相当な妖怪じゃなきゃお前が龍神だって気が付かないと思うみゅ………い………」
それだけ言い残すとフォンはそのままうつ伏せに倒れてピクリともしなくなった。
あぁ……。お母さん、とうとう私やっちゃったよ。16歳(今13歳だけど)にしてとうとう犯罪に手を染めちゃったよ←
とりあえず、この子の亡骸は後でそこら辺に埋めておこう。
なんて思いながらフォンを肩から下ろし、静かに鞄にしまい直す。
『………てか、そんなこと言われたって………もう来ちゃったっての……』
目の前に迫るボロボロの建物を一瞥して小さくため息をついた。