TOMORROW.

□魔術かくれんぼ
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朝の騒動から一転。

わいわいと学校に向かった。

入学式はそれはもう盛大なもので。

もはや次元が違いすぎてため息。

唯一覚えてるのはジタンの金髪が異様に目に付いたってことだけだった。





「よし。全員集まったな。」

そして今はオリエンテーションの時間。

小中と高大に分かれてやる。

ちなみに魔法科は魔法科の生徒だけでやるようだ。

武学科も同じみたい。

すーげ。高校と大学だけでこんなに発現者いるんだなー。

なんて、場違いなことを考える。

「今から『VR型魔術合戦』を行う。」

VR型、魔術合戦???

「・・・なにそれ?」

俺の小さな呟きに答えたのはティーダ。

「2つのチームに分かれて、魔術を使いつつ相手を倒すっていうゲーム式の訓練ッス。」

魔術を使いつつ相手を倒すって・・・え?!!し、死ぬ!!

だがそこはしっかり考慮してあるようで、これまたシャントット先生という人の魔術でバーチャルリアリティ空間を作りその中で行うらしい。

だから、致命傷を与えられれば退場。それ以外はなんでもあり。

そういうルールだ。

1人戦闘不能にさせれば1ポイント。

最終的に多くポイントを稼いだ方の勝ち。

らしい。

そっか。わかった。

要はゲーム感覚なんだな?

わかったけど待て。

「俺、即死じゃん。」

そもそも戦えないって。

武器もないって。

ティーダやスコールも険しい顔をする。

「だよなぁ。イオ無理じゃね?」

「逆にトラウマになったらどーすんだよ。」

珍しくヴァンが怒っている、ように見える。

しかし、そこでウォーリア先生の一言。

「尚、今回は魔術が使えない生徒がいる。その生徒達にはハンデとして致命傷を与えられても退場にしないこととする。」

ざわざわと周りが騒がしくなる。

ていうかそれって、無敵ってこと?

誰も相手にしなくね?

と思ったのも束の間。

「魔術が使えない生徒を退場にさせるには、2人で《捕獲》の魔法を使うこと。」

ウォーリア先生がそう言うと、周りは納得したような雰囲気になった。

え、なに?

わからん。

「・・・どゆこと?」

「2人1組で使う魔法の中に《捕獲》というものがあるんだ。モーション的には1人が対象者の真下に魔法陣を出し、もう1人が対となる鎖で対象者を捕まえる、と言った動きだ。真下に魔法陣を出されなければ捕まらない。動かない相手や不意打ちでしか当たらない上2人でないとできないということもあって、あまり使われない魔法だ。」

なるほど。

本当に捕獲、だな。

「対処法は?」

「・・・人による。」

なんだそりゃ。

「えー、じゃあ俺の場合の対処法は?」




そしてスコールの答えは、





「立ち止まるな。」



そりゃ無理だ。
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