世界の引鉄〜World Trigger〜
□そこに居たのは君だった
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私がいた。
君もいた。
でも今、ここには私しかいなくて。
誰を助けても、どれだけ助けても、空っぽのココロは埋まらない。
君が揺れた日。
私はセカイを失った。
〜そこに居たのは君だった〜
『あ゛〜〜。暇ーーー・・・・。』
皆さんこんにちは、吉河英里です。
例の撮影から早2週間。
私達中学生は冬休みという長期休みに入っております。
しかし、近界民が冬休みを待ってくれるわけもなく、ボーダー諸君は相変わらず防衛任務だとか訓練だとか、忙しい日々を送っています。
ほんの数週間前に入隊したばかりの私も他の正規隊員と同じように・・・下手したらそれ以上に忙しかった。
昨日までは。
さて、本題に入ろうではないか。
そんな私がなぜ、こんなにも暇なのか。
それは・・・
『いきなり3日間休め!!とか言われたって、休めないよ!!』
そう。
我らが隊長爽やかスマイルの嵐山准に3日間の休暇を言い渡されたのです。
だから、さっきから藍ちゃん達からのメール件数がヤヴァイ。
言っとけよ、准・・・。
そして私、友達との約束とかは一週間前からする派なので遊べるわけもなく。
こうしてだらだらと過ごすばかり。
それにしても・・・
『・・・暇にもほどがある。』
外は寒い。
家だと暇。
任務をこなしてる時はあまり思わなかったが、改めて何もない生活に戻ってみると感じる。
ボーダーに入隊してから思いのほか充実した日々が過ごせているのだ、と。
サボれるものならサボりたいが、ちゃんとした休暇となると任務に行きたくなるのだから贅沢だ。
そんな時1件のメールが来た。
《今からちょっとやりたい事があるんだ。英里が暇だって嵐山から聞いたんだ。暇ならちょっと玉狛まで来てよ笑 迅》
・・・無視しようか?
なにが笑だよ。
暇だけどさ。
少し考えたけれど断ったところで暇なことに変わりはないので、仕方なく《分かりました。》とだけ返信して外に出る準備をした。
「俺、嫌われてんのかな。」
「どうしたの?」
「いやさぁ、後輩からの返信が《分かりました》だけってどう思う?」
「嫌われてんじゃないの?」
「愛情表現だ。うん、そうだ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる。」
「え?!そうなの?!」
「・・・多分ね。」