世界の引鉄〜World Trigger〜

□歪んだ世界の
1ページ/3ページ


朝8:00。

これはいつも秀次が登校する時間と、私が登校する時間の中間。

その時間に来た「ボーダーの任務が入ったから今日は学校行けない」というメールで一日が始まった。

さぁ、今日もギリギリの疾走生活が始まる・・・。





遅刻1分前で教室にたどり着いた私は急いでテストの準備を始める。

テストは毎回そこそこで、総合では取敢えず上位の成績を修めている。

「優等生は余裕で良いね〜。」というルカの発言を無視して準備を終える。

そして、何気なく見た隣の席が空席なのを見て「ああ、出水も任務か。」と一人納得をした。


そしてテストが終わった放課後。

あたりまえのようにルカが話しかけてきた。

「それにしても英里・・・。実はボーダーだったなんて・・・!どうして私に言ってくれなかったの?!」

・・・。

What's?

『は、え?ど、どういうこと?!!』

「ねぇ!なんで?!出水は知ってたの?!」

『ちょ、ちょっと待ってよ!!私、ボーダーじゃないし!!』

「嘘だ!!」

『なんでよ?!!』

「だって・・・」

そう言ってルカは携帯を見せてきた。

そこにあったのは1枚の写真と、いくつかの文・・・それから読者からのコメントだった。

そして、それを見て私は絶句した。

『・・・え?』

それもそのはず。

そこに載っていたのは、一昨日の事件のことだった。

街中に近界人が出た。街はパニックになった。そこをボーダーが制圧した。

そこまでは良い。

損害がどうとか、家がどうとか、避難所がどうとか。

それも悪いけど、どうでもいい。

問題なのは・・・・



『なんで私がいんの?!!』



ここに決まってる。

まさか、こんな決定的な瞬間を誰かに撮られてるなんて思いもしなかった。

こんな・・・黒トリガーでトリオン兵をザックリやっちゃってるところを。

って言うか、あの状況でカメラ出した奴、勇気あるなおい。

「違うの?」

『ち、違う!!違くないけど、違うの!!』

「・・・どっち?」

『えっと、ボーダーではない!!これは、その・・・なんて言うか、その場のノリ・・・みたいなもんで!!!』

「ふーん?」

『とにかく!!私はボーダーじゃない!!!』


朝からどこか視線が痛い気がしたんだけど、そのせいか。

気付かなかったのがおかしいくらい、クラスだけでなく学校中・・・もう、街中で噂になっているらしい。

『・・・最悪。』

「ま、元気出して!!」

『はぁ。』

「あ!じゃあ、この後どっかのカフェ行こうよ!!」

『・・・目立ちたくないんだけど?』

「気にしない気にしない!!」

『とか言って、テスト勉強してないだけでしょ?』

「うっ。」

言葉に詰まるルカ。

でも、このノリが私を元気づけようとしてくれてるんだと思えて、嬉しくなった。

『しょうがないなー。奢りね?』

「も、もちろん!!」


その後、楽しい放課後を過ごした。

破天荒な一日だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ