Thanksgiving〜感謝祭〜
□祝1000hit御礼 10/21Thanksgivingday!!
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一年に一回だけの大イベント。
それはお正月よりも、クリスマスよりも大切で。
だからこそ、いつものように平常心を装って。
柄じゃないって分かってても、気にせずにはいられないんだ・・・。
だって、今日は―――
〜Happy Birthday〜
目が覚めると外はもう昼間の明るさではなかった。
『・・・まぁ、昼も夜も大して変わらないけどね。』
そして体を起こそうとしてやっと気付いた。
『・・・え?あ、あれ?』
床に座りながらベッドに頭と腕を乗せて寝ている真っ黒い影。
それからすぐに「私ベッドで寝たっけ?」と記憶を巡らせる。
事の始まりは朝からだ・・・・。
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『あ゛ー・・・。ヤバい・・。ダルい〜・・・。』
「大丈夫?」
私はクラクラする頭を押さえながら、八番街をシスネと共に歩いていた。
ウータイのスパイを見つけ出す任務、なのだか今はそれどころではない。
十中八九、というか100%風邪をひいた。
「今日はもう帰ったら?」
『うーん。怒られないかな?ツォンに。』
「流石に怒らないわよ。・・・今にも倒れそうだし。ツォンには私から連絡しておくから。・・・一人で帰れる?」
『帰るって言っても神羅に戻るんだけどね・・・。大丈夫だよ。帰りに余計なのに会わなければね。』
「そうね。じゃあ、気をつけてね。」
『うん。仕事任せちゃってゴメン。』
「いいわよ。それじゃあ、行くわね。」
『うん。バイバイ。』
こうして私はシスネと別れた。
そして部屋に帰った。
・・・所までは覚えている。
しかし、その後のことがよく思いだせない。
このでっかい犬を家に上げる事なんてしただろうか。
『あー・・。確か帰ってきて、クラクラするからソファーに座って。で・・・』
寝た。
うん。そのまま寝た。
けれど今私がいるのはベッドの上。
・・・。
おかしいな。おかしいね・・・。
確かに、鍵も掛け忘れて寝ましたよ。
だからって・・・。
『・・・。』
静寂。
何も起こらない部屋にただ一つ、寝息だけが聞こえている。
『・・・・はぁ。』
少し考えて、ため息が出た。
今の自分の顔はゆでダコのように真っ赤だろう。
その熱を風邪のせいにしてもう一度寝ようとした時、黒い影が動いた。
「ん〜・・・。」
『!!・・・ビックリした。寝言か・・。』
「ぅーん・・・。」
『ちょ・・・。起こしそ・・・。』
なんとか寝る体勢になって、天井を見上げた。
『・・・こんな誕生日、初めてだー。』
「今日誕生日なんだ。」
何気なく言った言葉に帰ってきた声。
今までにないほど驚いた。