D灰小説
□そんな君には!
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「好きって言って」
オレは、アレンに問うた。
そんな君には!
「…は?」
あまりに唐突で、アレンはびっくりしていた。
「だからぁ、アレン。オレに、好きって言ってくれさ」
「どうして…ですか?」
「んー、なんとなく。言われたいから」
正直なところ、アレンは絶対言えない。
そう思う。だって、オレの前では素直にならない。
自分の気持ちを、言葉で表せない。
「アレンこそ、なんで言ってくれないの?」
「え、だって、それは……っ」
いつもは、オレから言ってるもんね。
今日は、アレンから言ってもらえるのを待つよ。
「ラビ……っ」
わかってるよ、アレン。恥ずかしいんだね。
でも今日は、お前がオレに伝えて。
お前の気持ちを。
「ほら、言って?」
観念したのか、アレンは目を閉じてただ黙っていた。
そして、ゆっくりと目を開いてオレに言った。
「………好き…で、す」