A・A小説
□君のすべてが愛しくて※
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愛しくて愛しくて。
壊してしまいたいほどの愛。
それほど、愛してる。
君のすべてが愛しくて
「っ、あっ」
暗い部屋の中で、ふたつの影が重なり合っていた。
ネズミは、いつものように紫苑をベットの上で、組み敷いていた。
「ネズ…、ミ、ぃ」
紫苑の喘ぎ声が聞こえる。
普段はこれを聞いていれば、心底心地よい気分になるのだが、
今のネズミにその声は届いていなかった。
―どうすれば、あんたは…?―
無意識に紫苑の中に自身を差し込んで、引き抜いて、その繰り返し。
―いつか、あんたは敵になる―
それは、予測。
―そして、おれから離れていく―
それは、不安。
じゃあ、どうすればいい?
どうやって、紫苑をここにいさせればいい?
いっそのこと…………
コワシテシマオウカ。
ふと、ネズミの脳に響いてきた声。
ネズミは、それを振り払おうとはしなかった。
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