2周年記念小説
□恋は桃イロ
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「トシ!」
「十四郎、久しぶり」
「父さん、母さん」
父さんがどうしても銀時に会いたいと言って聞かないので、今日は父さんと母さんを俺たちが住む寮の近くの喫茶店に呼んだ。
母さんは吸血鬼、父さんは人間。
両親のどちらかが吸血鬼だと、生まれた子供は必ず吸血鬼になる。
まったく、厄介な血だ。
「初めまして、坂田です」
「トシから話しは聞いてたよ!トシの父の勲です!」
「母の妙です」
はしゃぐ父さんと、銀時を面白そうに眺める母さん。
そんな二人に笑顔を向ける銀時。
なんだか自分のパートナーと親が挨拶してるってくすぐったいな…
そう思いながら銀時を見つめると、銀時は俺を見て微笑む。
「十四郎くんから少し話しは聞いてたんですけど」
「あぁ、うん、今から詳しく説明するよ」
「詳しい話が分からないのに、よく十四郎と契約してくれましたね」
母さんがクスリと笑った。
「えぇ、好きなので」
母さんの言葉に銀時も笑って、俺の頭をポンポン撫でる。
途端にかぁっと顔が熱くなって、俺は俯いた。
「トシ、真っ赤だぞ?」
「う、うるせェ」
「まぁまぁ、十四郎ったら銀時さんにベタ惚れなのね」
「うるせェっ」
父さんも母さんも面白そうに俺をからかうから、ついいつもの調子で返してしまう。
俺には総悟と言う弟が居るが、あいつは家族一俺をからかうのが大好きだ。
今日あいつも来ていたら大変だったな…と考えていると、俺の頭に手を乗せていた銀時がぷっと吹き出す。
「十四郎って、ご両親にはそんな感じなんだな」
「いつもと変わんねェだろ?」
「まぁね」
一体急に何を言い出すんだろうと思えば、銀時はそんなことを口にした。
俺は基本家でも外でも無口な方だし、口を開けば口が悪い。
銀時への対応も、両親への対応も変わっていないつもりだ。
俺が銀時の言葉に首を傾げると、銀時はくしゃりと俺の髪を撫でた。
「変わらないのって良いなぁと思ってさ。お前、俺の前でめちゃくちゃリラックスしてるってことだろ?」
にっと笑う銀時は、俺に質問してきたと言うよりも確認する意味でそう言ったようだ。
表情が自信に満ち溢れている。
…あー、どうすんだこれ、親の前だぞ。
お前、責任取ってくれんだろうな…?
…良いや、銀時が悪い。
こいつが悪いんだ、俺は悪くない。
だって自分が居なきゃ駄目な様にすると言って俺を散々甘やかしたのは、銀時だ。
「…だってお前、俺の家族だろ」
きょとんとした三人に笑われるのは、それから数秒後の話。
〜〜〜〜〜
続編って大変難しいですね…!
近妙夫婦で十四郎と総悟が子供、って言う図が好きです^^
坂田を取り合う兄弟…じゅるり(´p`)
亞梨紗さまのみお持ち帰り可です。
リクエストありがとうございました^^