2周年記念小説
□一緒におべんきょ*
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銀と一緒に風呂に入って、沢山キスをした。
銀の裸を見るのは中学生以来で初めは凄く緊張したけど、銀が優しく髪を撫でてくれたり頬にキスしてくれたりして…上がる頃には銀の上に乗って自分からキスを強請ってしまったくらいだ。
その後、キチンとジャージを着てから銀の部屋へ向かった。
「ん、う…んン」
初めてするディープキスはとろけてしまうんじゃないかと思うほど気持ち良い。
ベッドに押し倒されながらも、もっともっとと銀時にキスを強請った。
銀の舌の動きが俺を翻弄する。
たまらず足をスリ寄せてしまうと、銀にクスリと笑われた。
「十四郎、腕上げて」
「…ん?」
「よいしょっと」
「う、わ!」
銀に言われた通り素直に腕を上げると、慣れた手つきでスルリとジャージを脱がされる。
急に晒された上半身を、今まで銀の首に回していた自分の腕で咄嗟に隠した。
これじゃあまるで女子みたいだ…
「ぎ、銀、嫌だ、銀…っ」
でも、恥ずかしくて。
自分だけが上半身を晒すのは嫌だと銀に訴える。
「んン?待ってね、俺も脱ぐから」
銀は俺の言いたいことを汲み取り、一気にスウェットを脱いだ。
「っ」
「なんで照れるの?さっき一緒にお風呂入ったのに」
「だ、だって」
クスクスと笑われるが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
だってここはベッドの上。
想いが通じ合った二人がベッドの上で裸になるってことは、つまり、そういうことで。
少しずつ密着し、少しずつ露わにされる肌。
これから得るであろう快感。
全てが、恥ずかしい。
「大丈夫だよ、下はまだ脱がせないから」
まずは上をたっぷり可愛がってあげるね
そう言って銀がまた俺に覆い被さり、首筋を舌でなぞってキスをした。
「あ、ん…ッ、う」
確かに、全てが恥ずかしい。
…けど、全てに期待している。
家には銀と俺の二人だけ。
誰に声や情事の音を聞かれる心配はない。
でも自慰のときには絶対に出ないような…自分が出しているとは到底信じられないような甘ったるい声は、出来れば銀に聞かせたくなかった。
さっきまで上半身を隠していた腕で口を塞ぐと、銀にその手を優しく取り払われる。
「声出して、十四郎」
「や、だぁっ」
ちゅ、ちゅ、と段々下に移動する銀時の舌の動きに翻弄され、段々と喘ぎ声が我慢出来なくなってきた。
その時、あることがぼぅっとしていた頭によぎる。
…銀時はどうして、こんなに慣れているんだろう。
キスが気持ち良くて、銀時の体温が温かくて考えもしなかったけど。
一度気になってしまうとネガティブな考えで頭を支配されてしまう。
銀時には今まで彼女が居ないと思っていたけど、俺が知らなかっただけじゃないか?
キスだってエッチだって、俺以外の奴ともう済ませてるんじゃないか?
「っ、う、ぅぅ…ッ」
「…どうしたの、十四郎…!?」
「うーっ、ひっく」
「な、なんで泣いてるの!?痛かった!?なんか、嫌だった!?」
そんなことを考えてしまったら、今まで訳が分からないくらい気持ち良かった銀時のキスも手の温もりも全然気持ち良くなくなってしまった。
甘い声の変わりに出てしまった泣き声はどうしても抑えられない。
…目から止めどなく溢れる涙も。
「ひっく、う、うぅッ」
「と、十四郎、どうしたの、ほら、おいで」
「ふ、っう」
「十四郎ぉ…」
様子のおかしい俺に気付いた銀時は俺からガバッと離れてから、俺の顔を覗き込んだ。
自分の問いに答えず泣き止まない俺を見て、銀時の声が不安に揺れる。
ぎゅっと抱き締められて背中をさすられるが、まだまだ涙は止まりそうになかった。
〜〜〜〜〜
「…ぐずっ」
「落ち着いた?」
「…」
「どうしたの?何か嫌だった?」
ようやく涙が止まってきた頃、銀時がゆっくりと俺の体を離して頭を撫でる。
折角想いが通じ合ったのだから、俺は銀時をこの先一生手放す気はない。
ずっとずっと一緒に居るんだ。
「…れ、てる…」
「ん?」
「…ぎん、なれて、る…っ」
「え、えぇ?」
言いたいことは言うって決めた。
気になったら何でも聞くって、決めたから。
俺は少し体を離した銀時の顔を睨む。
「おれは、ぎんがはじめて、なのに…!だ、だれとしたんだっ!しんじらんね、ぇ!ばか!ばか!」
ぐいぐいと銀時の体を押し離そうとすると、銀時に両腕を掴まれてそれを阻止された。
それでも抵抗は止めない。
「と、十四郎、落ち着いて」
「っく、ばかぁ!」
「俺だって十四郎が初めてだよ」
「っ、うそつき!」
「嘘じゃねぇ!キスもお前としかしたことない!」
両手でがっちりと俺の肩を掴み、銀時が怒鳴る。
銀時に怒鳴られたことなんて今まで生きてきて一度もないから、俺は驚いて抵抗することも忘れ、体をビクリと震わせた。
「…うそ、つき」
「本当なのに…信じてくれないの?」
小さく呟いた言葉は銀時の耳に届いたらしい。
銀時も弱々しくそう呟いて、俺をぎゅっと抱き締めた。
「だって、なれて、る」
「そりゃ、AVとかで手順は…あとネットでヤり方調べたりとか…って凄ぇ恥ずかしいからそういうの聞かないで…」
男同士だから十四郎に痛い思いさせたくなくて、いっぱい勉強したんだよ。
銀時はそう言って、俺の首に顔をうずめる。
本当に恥ずかしそうだ。
こんなに照れてる銀時、見たことない。
「…ほんと?」
じゃあ本当に、初めてなの?
俺以外にはこうして、いやらしく触れたこと、ないの?
「俺が十四郎に嘘ついたことある?」
「ない、けど…ね、銀」
「ん?」
銀の背中にそろりと腕を回し、ペチッと背中を叩く。
銀は俺の首にうずめていた顔を上げて、額と額を合わせた。
「俺は、一緒に…勉強したい…」
「…うん、ごめんね」
「うぅん、泣いてごめん」
「良いよ、可愛いから」
「銀…」
やっぱり銀には俺だけだった。
その事実が堪らなく嬉しい。
一緒に勉強したい、と言ったけど…銀が俺のことを考えて色々調べてくれたのも、本当は凄く凄く嬉しいんだ。
またヤキモチをやいてしまいそうで、自分からは言えないけど。
「続き、しても良い?」
「…うん」
「愛してるよ、十四郎」
「俺も…愛してる」
ちゅ、と軽くされたキスは、俺の心をじんわりと溶かして。
後で、怒鳴ったお詫びにマッサージしてもらおう、なんて可笑しなことも考えられるまでに余裕が出てきた。
そっと銀の髪を撫でると、銀は嬉しそうに笑う。
これから一つになれるんだなぁと思ったら、なんだか涙が出そうになった。
〜〜〜〜〜
初々しい二人が書けてたら良いな…^^!
ちあ様のみお持ち帰り可です。
リクエストありがとうございました!