plan

□七夕企画
1ページ/1ページ


七夕企画としてフリー配布していた作品です。



−−−−−−−−−−



「十四郎、お願い事書いた?」

「ん、書いたよ」

「なんて?」

「内緒」



今日は屯所で七夕祭り。

祭りと言っても、浴衣を着て、山崎と隊士が林で選りすぐってきたらしい笹に願い事を書いて吊して、運が悪ければその願い事を総悟に大声で読まれると言うくらいだ。

…そう、去年までは。

今年は近藤さんの希望と、そして俺の希望で(トップ二人の希望が一致したらそれはもう実行決定だ)銀時、新八、神楽、志村姉を屯所に迎え、共に七夕を過ごしている。



「えぇ、教えてよ、銀さんのも教えるから」

「…当ててやろうか」

「…わかるかな?」



新八は山崎と誰かの愚痴を言い合っている(誰かは分からないが、なんとなく後で山崎を殴っておこう)。

神楽は志村姉と…総悟と楽しそうに花火をしている(あの二人が仲良くなんて嵐の前触れか…志村姉の力か)

近藤さんはその後ろで何故か土に埋まっていた(言わずもがな、志村姉の力だ)。

と言うことで俺の恋人である銀時は、縁側に座る俺の横に寝転がってにこにこと俺と談笑中。

せっかく屯所に来てくれたのに、俺以外と時間を過ごすなんて許さない。

そんなことは、口には出さないけど(オーラは出してるつもりだ)。



「パフェが沢山食べれますように」

「ちっ、正解」

「ほらみろ」

「でもあと2枚あるよ」

「…書きすぎ」



銀時は『パフェが〜』と書かれた短冊をヒラヒラとかざした。

…あと2枚、銀時が書きそうなこと…



「俺とずっと一緒に居れますように」

「…正解」



だってそんなの、銀時が毎日言ってくれることだ。

当たって当たり前。

それに俺も



「…俺も、書いたし」



そう言って銀時に自分が書いた短冊を見せると、嬉しそうに微笑んだ。

自信を持つことは難しい。

でも銀時の言うことは俺にとって絶対。

だからそれも、絶対。



「可愛いな、十四郎」

「ありがと」



銀時は起き上がって俺の隣に座り直すと、俺の頭を優しく撫でた。

その大きな手が頬まで下り、俺はその手にすり寄る。



「さて、あと1枚は難しいよ」

「想像がつかない」

「ヒント、いる?」

「ん、いる」



『そうだなァ…』と呟きながら、頬に触れていた銀時の手が離れた。

頬に風が触れる。

生暖かい風。

今日はとても暑かったから。



「バード、フレンチ。このあとに続く言葉は?」



問題を出す銀時は楽しそうだ。

俺はうぅん、と考え込む。

バードって、鳥だよな。

フレンチは、フランスの。



「二文字だよ。俺たちがいつもしてる」



…あぁ、分かった。

俺は周りに隊士たちが居るのも忘れ、銀時の手をぎゅっと握る。



「…しても良い、よ」



そう言って微笑むと、銀時は笑った。

そうしてゆっくりと立ち上がり、新八と神楽に声を掛ける。



「新ちゃん、神楽、今日は妙んトコお泊まりしなさいね」

「…いや、僕の家なんですけど」

「…銀ちゃん、明日はワタシとお出かけするアルヨ?」

「お預かりしますね」



なんと出来た子供たちだろう(うちの子供とは大違いだ。いや、神楽は少し不機嫌そうだが)。

志村姉はにっこり微笑んで俺に向かって手を振った。

銀時はそれを特に気にせず、スタスタと歩き始める。

俺も急いでそれに続いた。



「銀時、」

「ねぇ、十四郎」

キス以上もしていい?



隊士たちは皆中庭に出ている。

廊下には誰も居ない。

俺は我慢出来なくて銀時に抱き付いた。





(すごい、すぐに願いが叶うなんて)





(おまけ)

「…トシちゃんばっかりズルいネ、銀ちゃん独り占めアル」

「おぉ、珍しく意見が合ったなァチャイナ」

「お前と意見が合うなんて不服ヨ…でも仕方ないアル」

「共同戦線張って土方を貶める…」

「…ノった」




ニヤリ、と孤を描く口を見た者は…居ない。






〜〜〜〜〜

嵐の前触れでしたね^^(笑)

09/07/07(フリー配布期間は終了しました)





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ