plan

□30000HIT(宮崎姫乃様)
1ページ/1ページ


高校一年になった俺には、絶対にしなければいけないことがある。

それはアレ、銀時に告白すること。

ちゃんと、恋人同士になること。

俺たちは自他共に認める仲良し兄弟だ。

偶に、本当にたまーにだけど、キスだってする(銀が俺の額にするくらいだけど)。

俺は銀が大好きだし、銀が居ればそれで良いから今まで誰かと付き合ったこともない。

銀だけに甘えて、銀だけを頼って、ワガママ言うのも銀にだけ。

そんな俺を銀は甘やかしてくれるし、何でも応えてくれるし、ワガママだって仕方ないなァと言いながらも全部ぜんぶ聞いてくれる。

誰かと付き合ったことはないと思う…多分。

それでもいつか銀に好きな人が出来てしまったら。

俺はそんなの絶対に嫌だし、耐えられない。

だからそうなってしまう前に告白して、どうしても銀に俺だけを見て欲しいと思ったんだ。



「十四郎、ご飯出来たよ」

「…ん」

「…どうしたの?」

「な、なんでもない」



でも告白を意識してしまえばしまう程どうしようもなくドキドキしてしまって、俺は最近銀に話しかけられてもまともに話せなくなってしまった。



飯食べたら「宿題しなきゃ」と言ってすぐ部屋に戻ろう。

そして少し落ち着こう。

今のままじゃ告白なんて…



そう思いながらソファーから立ち上がり、銀に背を向ける





急に体が動かなくなった。

…そして手首に暖かい感触。

ふと自分の手首を見やると、がっしりと銀の手が…俺の手首を掴んでいた。

そう認識した瞬間、銀が触っているところからぶわっと発熱したみたいに体が熱くなる。

銀に触れられたの、久しぶりだ…

それは自分があまり近付かないようにしていたからだけど、銀に触られると…心臓が壊れそう。



「最近俺のこと避けてるよね」

「さ、避けてない、離し」

「避けてる。だって十四郎に触れたの、凄い久しぶりだよ」



…気付いてくれていた。

それは銀が俺に触れたいと思ってくれていたと言うことだろうか。

こんな状況なのに緩みそうになる頬を必死で引き締めながら、俺はゆっくりと銀の目を見る。



「十四郎に避けられると…俺、凄い寂しい。もしかして、彼女でも出来た?」

「ち、違うっ」

「じゃあどうして?」



困ったように笑う銀に、俺の心はグラッと揺れた。



「…俺に彼女が出来たら、銀はどうする?」

「…奪い去るよ、お前を」



そう聞こえたと同時に暗くなる視界。

それは閉じられた目蓋のせいだと気付き、ふと目を開く。



「ん、ふ…ァ、は」



目の前では銀色が揺れていて、この甘ったるい声は…自分?

息が苦しい、息が出来ない。

こんなの、知らない。



「や、んンっ!は、ふァ…」

「…十四郎」



唇が離れて、俺は一生懸命息を吸った。

銀の息も上がってる…どうしよ、嬉しい…



「はァ、は…な、で、」

「ディープキスしたか?」

「…ん」

「嫌だった?」

「やじゃ、ない」



そう言うと、銀は優しく微笑んだ。

銀がソファーに座り、俺を向かい合うように膝の上に座らせる。

腰にゆっくりと腕を回され、ぐっと引き寄せられた。



「初めてしたもんね、ディープキス」

「…口にするのも、久しぶり、なのに」

「ちょっとしたお仕置きも兼ねて」

「お仕置き?」

「俺のこと大好き過ぎて俺のこと避けちゃう十四郎に、お仕置き」



…全部バレてる…

ニヤリ、と銀は笑った。

全部、知ってたのか、やっぱり。

そう言えば今まで生きてきて一度も、銀に嘘をつけた試しがない。



「…気付いてたの」

「…十四郎以外に好きって言うと大暴れする時点で、バレてるよ」



クスクスと笑いながら、銀は俺を抱きしめる。

俺は銀の首に腕を回して、銀の耳にキスをした。



「じゃあ、もっと早く言って欲しかった…ドキドキして、苦しかったんだからな…」

「ん、だってドギマギしてる十四郎も可愛くて」

「…意地悪」

「小さい頃からずっと、俺のこと大好きなくせに」

「大好きだけど!」

「俺も大好きだよ、十四郎。お前が居ればそれで良い…ずっと一緒に居てね」

「…うん」



銀を見つめると、銀は優しく微笑んでキスしてくれた。

これからは毎日銀に触れて貰える。毎日銀の隣に居れる。



毎日、自分は銀のモノだと実感出来る。



何よりも、銀が俺と同じ想いだったと言うのが凄く嬉しい。

想いが通じる前はあんなに不安だったのに、今はいつから銀は俺のことが好きだったんだろうとか、どれくらい俺を好きでいてくれてるんだろうとか、そんな幸せな気持ちでいっぱいだ。

俺ってば物凄く単純なのかも…

でも、それでも、やっぱり嬉しい。

俺は目の前で微笑んでいる銀に自分からキスをして、ぎゅうっと抱き付く。



「ねぇ、十四郎?」



銀の声が、耳元で甘く響いた。



「一緒にお風呂入ろうか」





−−−−−−−−−−

30000HITありがとうございます!

「双子が恋仲になるキッカケ」と言うことで書かせて頂きましたが、いかがでしょうか(><)

おいおいちょっと違うよちかさん!って言うときは一言頂けると嬉しいです…こっそり…

感想等ございましたら、拍手の一言欄からお願い致します^^





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ