grown up!


□grown up! プロローグ 
1ページ/4ページ

―――リン 8歳





「あー!!!それ私のクッキー!!!返してよー!!!」


「嫌だね!!だってリン姉僕の食べちゃったじゃん!!」


「えーそうだっけ?あははっ」


「あははっじゃないよ!!あははっ」


「##NAME3##も笑ってるよ!!」


「リン姉が笑ってるからだよ!!」


そう言い笑い合う二人の姉弟。


時はお日様が真上からやや西に傾いたころ、場所はある家の中庭。
中庭というだけあって、ここの家は、とても大きかった。






それほどお金持ち、ということだ。







中庭に設置してある、白いテーブルの周りを、二人の姉弟はクッキーを取り合い駆け回っていた。






テーブルより少し離れたところでは、30台前半だろうと思われる夫婦が、子供達を眺め笑い合っている。







絵に描いたような幸せそうな家族。





実際に、この家族はとても幸せだった。







「ほらー!もうお家に入りなさい!ケーキがもうすぐできあがるからー!」








そう女性が叫ぶと、二人の姉弟は、やったー!と返すと、女性と男性、自分達の親のもとへと駆け寄り一緒に家に入っていった。








中に入るとおいしそうなケーキの匂いが部屋を染めていた。




調度のいい家具類に、いくつものトロフィー。


困ったことなど何もないような家。






「出来上がったら呼ぶから上の自分の部屋でまってなさいね。」




母親のその声に、二人の子供は、はーい!、と元気よく叫ぶと、元気よく階段を駆け登っていった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ