大切なさがしもの


□第5話 感情
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一時経った時、クロロにシャルから電話が入った。

「・・・どうした。」

『団長、報告。ウヴォーが体内に毒ヒルが入ったまま鎖で攫われた。奴らと場所は今特定して、向かおうと思ってる。競売品を移した梟って奴も捕まえた!』

その報告に広場にいた皆が驚く。
もちろん梟を捕えた事ではなかった。

ウヴォーが攫われた・・・?
そんな、ウヴォーに限ってそんな事・・・。

「状況は?」

すかさず現状把握をするクロロ。

『俺、マチ、ノブナガ、シズクが近くのビルにいて、フェイが梟連れてそっちに戻ってる。フランクリンがビールを取りに行ってまだ帰って来てない。数が数だからおそらくもう少しかかると思う。』

「ビール・・ヒルか。わかった。こっちからフィンを行かせる。後は任せた。」

『了解、フィンに電話かけ直すよ。』

そうシャルが言うと電話がすぐ切れ、電話の最中に把握したフィンが出掛ける準備を終えた所で携帯に電話がかかって来ていた。

そのままシャルと話しながらフィンは出て行った。
おそらく場所等の打ち合わをしているのだろう。


―――統率感がすごいな。

そう冷静に考えながらも、どこか信じられない気持ちが礼奈にはあった。

ウヴォーが・・・?
明らかにウヴォーが旅団の中では一番力が強いはず。

皆の表情を見てみると、大方心配いらないといった表情をしていた。
その中で、クロロの表情だけが険しいことを礼奈は見逃さなかった。

――どうしたんだろう。
団長が一番どっしり構えていそうなものなのに・・・。



それからまた暫く経つと、フェイタンが人間を一人肩に担いで帰って来た。

「!!フェイタン!!おかえりなさい!!」

そのままフェイタンに小走りで駆け寄った。
安心感からか声が自然と大きくなる。


「!!レイナ、こち来たらダメよ!」

その声にピタッと駆け寄る足を止めた。

え・・・。

「どうして・・・?」

そう聞いてハっと気付く。

「フェイタンの肩に乗ってる人・・・死んでる・・・?」

「・・・まだ死んではないね。これからが本番よ。」

本番・・拷問か。
そっか、さっきも電話で体に聞いたって。

フェイタンはそういう役目なんだろうな。

「あー、わかった。」

そう言い改めてフェイタンに近づいた。

「??レイナ、平気か?こいつ、見た目もう人間じゃないね。」

??
そう言われてよく見ると、確かに腕や足が変な方向に曲がっていた。

・・・。

あれ?なんとも思わない。

「・・・大丈夫みたい。」

「・・・そう、よかたよ。」

そう言うと安心したように息を吐いた。

そのままフェイタンは後で、と言うと拷問室なる部屋へ入って行った。


私、さっき何でなんとも思わなかったんだろう。

・・・不思議。

そして、その光景を見ていた広場の団員達も、皆似たり寄ったりな疑問を抱いていた。

(・・・やっぱり、レイナは何かがおかしい。・・・いや、おかしいと言い出したらあいつは登場からおかしかったが。)

クロロはそう思い返しふっと笑うと、また別の事を考え始めた。


一時、しばらく経つと、シャルからまた団長へと連絡が入った。


『あ、団長。ウヴォーは奪還したんだけど・・・。』

「あぁ、あいつの事だ、絶対許さないとか言って探しに行ったんだろう?」

『さすがだね、その通り。マチ達はもうそっちに着く頃だと思う。フランクリンはさっき別れたから、もう少しかかるかな。』

「わかった。ウヴォーに情報を渡してたんだろう?お前も戻って来い。」

『そのつもり!じゃ、また。』

その言葉を確認すると、クロロは通話を切った。


ウヴォー・・・大丈夫かな・・・・。
少し、何か胸騒ぎがする。


「・・・大丈夫よ。」

!!
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