大切なさがしもの


□第4話 開幕への序章
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「ふぁ〜・・。今何時だろう?」

ベッドから起きがある礼奈。

「―――・・。」

ん・・・?

今が朝なのか昼なのか分からないまま目が覚めた礼奈は、部屋から割と近い広場からの話声を察知する。

礼奈が起きたのが分かったのか、マチが礼奈の部屋までやって来た。

「レイナ、おはよう。昨日はお疲れ様だったね。」

「おはようマチ。最近目が覚めたらマチがいる気がするな。」

そう礼奈が言うとマチが確かに、と笑いながら頷いた。

あ、そうだ。

「マチ、服を・・・一式・・・貸してもらってもいい?」

礼奈が申し訳無さそうにそう聞くと、マチは無言のまま立ち去り、すぐに大量の服を持って礼奈の部屋に戻ってきた。

すごい、たくさん。
何着分あるんだろう・・・・。

「こ、こんなに良いの?」

「私の服で良ければ、だけどね。遠慮なく着な。あ、私達は1時間後くらいに出るから。」

そう言うと、マチは部屋を出て行った。

去り際にありがとうと言うと礼奈はすぐシャワーを浴び、マチの服に袖を通す。

・・・和服・・・?

着物を崩した様なラフな格好になる礼奈。

何となく、しっくりくる気がする。
そういえば、ノブナガも和服だったような・・・

そう思いながら、鏡を見る礼奈。


・・・しっくりはくるが、似合っているのかはよく分からない。

まぁいいや、お見送りにいかないとね。

新しい服に身を包んだ礼奈は少し足取り軽く広場へと向かった。



「レイナ!似合ってるね!マチの服?」

広場に入って早々、シャルナークからそう話かけられた。

その声に何人かが反応し、こちらを向く。

真正面で似合ってと言われると、何かむずがゆいな・・・

「あ、ありがとう!そう、マチの服を貸してもらったんだ。」

そう言いながら広場を見渡すと、すでに数人出掛けた後で、続いて何人かが出で行く所みたいだった。

「皆、気を付けてね!」

「ハ!俺たちを誰だと思ってんだよ!心配いらねえよ!」

何となく出てきた言葉を言うと、ウヴォーギンが軽くつっぱね手を上げて出て行った。

そうだった。
どれだけすごいのか正確には分からないけれど。

それでも、絶対強いんだろうな。
大丈夫。

そう思いながら見ていると、シャルもシズクも一言いいながら出掛けて行った。

「似合うと思ったんだよね。大人しく待ってるんだよ!」

今度はマチがそう言いながら礼奈の背中を叩き出て行った。


「それ、似合てるよ。気を付けて待てるね。」

マチの背中を見送っているとフェイタンから後ろからそう言われ、振り返ると少し軽く笑い足早に出掛けて行った。

「え、あ、うん。ありがとう。」

聞こえてないだろうけど。

そう思いながらも、後姿にお礼を言った。

皆の力とか、よく分からないけれど、すごく強いんだろうな。

私も早く強くなって、皆の助けになれたらいいな。

・・・いきなりこの世界に連れてこられて。
・・・いきなりこのアジトに連れてこられて。

全てが急で、良く分からない事だらけで。

でも、元いた所に帰りたいとは、思わない。

そう少し考え込み、待機組以外全員が出て行ってから少し経った頃だった。


「レイナ、修行するぞ。」


礼奈に声をかけたのはクロロだった。

修行・・・あれ?フェイタンじゃないんだ。
そうだよね、フェイタンは出掛けているし、少しでも早く強くなった方がいいよね。

「うん、わかった。団長がしてくれるの?」

そういえば、団長・・私と話したい事があるって言ってた様な・・・。


「フェイの方がよかったか?」
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