銀魂

□KENDOV
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KENDOV〜前編〜





春の日差しに包まれて、気候は暑いくらいの今日この頃。われらが土地のシンボルである江戸城の庭内にある由緒正しい武道館で高校生の剣道大会が行われていた。

「ファイト!!」

「一本とってますよ!!」

「いいとこーー!!」

「ばか!!何やってんだよ!!逃げてねぇでもっと攻めろ!!」

大会会場は盛り上がり、歓喜の笑顔を見せる者、はたまた悔し涙を浮かべている者・・・一人一人が物語を作っていく。そんななか、

「もう少しで女子のコート決勝が終わります。」

「分かった。よっしゃ。おい!レギュラーは素振りして身体あっためとけよ!!」

近藤は指示を出した。

彼らは試合用の胴着、袴に身を包み、胴着の腕には学校のマーク、そして袴の腰板には”獅子奮迅”と入っていた。ある者を除いては・・・。

「あれ??高杉は何も腰板に刺繍してねぇんだなぁ・・・。」

「別に。」

「入れりゃぁ、かっこいいのに。」

高杉は本日3回目のため息をついた。それもそのはず。朝の7時に自分のうちから電車で50分はかかる駅に集合させられ、アップを1時間もやらされ、やっとアップが終わったと思ったらこの調子で土方がびっちりとくっつきまわっていたのだ
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