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□だって、好きなんです
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「これは、俺が運びますよ。先輩はこっちを持ってください」
「監督が呼んでましたけど、一緒に行きましょうか?」
優しい、優しい、可愛い後輩。見た目もとってもカッコイイ。
実は、好きだったりして。
でもね。
『だって、好きなんです』
「暑くないですか?」
まるで金魚のフンのようについてきた長太郎の大きな身体でできた大きな影が、アタシの身体を太陽から遮った。
だけど…
「ちょた」
「はい!」
にっこり、爽やか。
そう、まるで大型犬が尻尾を思い切り振って飼い主に甘えているような。
ああ…
振り返り見上げた長太郎の頭に、耳が見える。
犬耳が。