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□PLACE TO DIE
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事の発端は1週間前。
攘夷戦争以来姿すら見せなかった男、高杉晋助が俺の前に現れたことから全てが始まった。
俺はいつもどおり、散歩という名のデートに出かけていた。
相手はもちろん、鬼の副長だ。
いつも仕事が忙しいあいつとのデートは決まって夜だった。
新八が家へ帰り、神楽が寝付いたのを確認してから家を出た。
「う〜、さみっ」
冬が明けたとはいえ、普段着にマフラーでは身体が冷える。
「早く行ってあったまろう」
俺が歩調を速め、近道をしようと路地裏に入った時だった。
前方に人影が見え、銀時は一瞬固まった。
その人影は並々ならぬ殺気を放っていたのだ。
・・・・・ヤベェ。
直感的に危険を感じた銀時は木刀を抜いた。
それを見計らったかのようにそいつは切りかかってきた。
刀と刀がぶつかり合った瞬間、初めて確認できた敵の顔に銀時は動揺を隠しきれなかった。
「くくっ・・・よぅ」
そいつは昔と変わらず人を蔑む笑い方をした。
「おめぇ・・・高杉」
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