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□団子
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団子を落とさないようにゆっくり歩いたので、少し遅れただろうか。そいつはすでに来ていた。
「遅いぞ。このウスラトンカチ」
以前はムカついていたこの口ぐせも、今では笑って許せる。
「これ、買ってたんだってばよ」
ナルトは買ってきた団子を見せた。
「サスケ、甘いもの好きだろ♪」
「イヤ・・・べつに・・・」
素っ気ない返事をしてみたが、内心めちゃくちゃ嬉しかった。
遅れては来たものの、それが俺のため?可愛いじゃねーか!!
「サスケ・・・?」
下を向いてニヤついていたサスケを不審な目で見ながらナルトは言った。
「なっなんでもないっ!!これ、食っていいか?」
「おうってばよ!!」
サスケが団子を一口。
「・・・っ!うまいな・・・」
「だろだろーっ!!朝早く並んで、出来立てを買ってきたんだってばよ!」
「そっか・・・」
次にこしあんを食べながら言った。
こいつがワクワクしながら団子を待っている姿を想像したら頬がゆるんだ。
しゃーねぇな。今日は一日付き合ってやるか。
帰りはまた団子を買って帰ろう。
お前にもこの気持ち、味合わせてやるよ。
「さ〜って、今日も修行頑張るってばよ!!」
この後二人は、日が暮れるまで汗を流し、団子を食べて帰ったのだった。
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