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□修羅
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高杉晋助はテントの中で目を覚ました。
周りには生き残った数少ない同志が死んだように眠っている。
本当に死んでいる同士は外にたくさんいるんだろうが・・・
そんなことを考えながら晋助はふと、あいつがそこにいないことにきずいた。
探しに行こうと立ち上がったとき、横で寝ていた男が言った。
「一人にしておいてやれ。あいつにもいろいろ想うことがあるんだろう」
そう言ったのは桂小太郎だった。
「うっせぇ。指図すんじゃねぇ」
そう言って晋助はテントを出た。
戦争が終わった日のとある出来事。
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