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□PLACE TO DIE
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銀時は船の上に居た。

高杉の話によると、京都にある本拠地に戻り、体勢を立て直した後、再び江戸に戻り幕府をぶっ壊すらしい。

「お前は京都に置いていく」

「・・・なっ!」

「なぜだと?お前はあっちではすでに死んでいることになってるからだ」

「なんで・・・そんなこと・・・」

俺は今、誰にも告げずにここに来ている。

新八や神楽・・・土方にも。

確かに、江戸には俺が死んでも疑う者はいない。

「お前は俺が江戸をぶっ壊して帰ってくるのを迎えてりゃいい」

「そんな・・・っ」

何も言い返せない。

だって、俺が何か言うと土方が。

・・・?幕府をぶっ壊すって?

「高杉っっ!!」

俺はすでに背を向けて遠ざかる奴の名を呼んだ。

「あぁ?」

高杉がたるそうに振り返った。

「幕府をぶっ壊すって・・・土っ真選組も?」

「くくっ・・・さぁな」

高杉はそう言って部屋に入っていった。

殺るきだ。あいつは真選組も。

土方も。

「・・・・・っ」

土方が・・・死ぬ?

そんなの考えるのがおそろしい。

土方がいなくなる。

「・・・ふっ」

考えただけでも涙がこぼれる。

土方、お前も今、こんな気持ちなのかな。

でも、大丈夫。


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