□空は青い
1ページ/7ページ
どんよりとした曇空の下。
セネル達は迷路と呼ぶに相応しい、帰らずの森で道に迷い右往左往していた。
「おい、モーゼス。帰らずの森はお前の庭なんじゃなかったのか…?」
モーゼスと並んで歩いていたセネルがわざと嫌味に尋ねる。
「うっ、うるせぇ!ちったぁ黙って歩け!」
「さっきからずっと黙りっぱなしだ…」
モーゼスはセネルと目を合わせないよう、先頭を行くギートの方を見た。
「…とにかくっ、ワイに着いて来とったら大丈夫じゃっ!」
「大丈夫じゃなさそうだから行ってんだ!」
「おい、二人共。あまり大きな声を出すな。無駄に体力が減るぞ」
冷静にセネルとモーゼスの喧嘩を中断させたウィル。
流石、皆の保護者と言ったところか。
女性陣の方も、疲れきっているようだった。
「クーリッジ、もう少しゆっくり歩いてくれないか…?」
「あぁ、分かった。…大丈夫か?」
「ああ、平気だ。すまないな。」