□輝ける交響曲
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今日もゼロスは国王に呼び出され、すぐに城に向かった。
城の大きな門を開けるとすぐの所に、王とその姫君がいる。
「お呼びですか、陛下。」
ゼロスはそう言って丁寧にひざまずいた。
「うむ。早速だが、今回はオゼットに行ってもらいたい。復興のための予算報告書を受け取りに行って欲しいのだ。」
「承知しました。」
「おぉ、それから…」
ゼロスが返事を返すやいなや、国王は口を開いた。
「今オゼットには、復興の手伝いとしてブライアンがいるはずだ。もちろんプレセアもな。そんなに急ぐ用事でもない、少し会って語らうのも良かろう。」
「…ありがとうございます。」
「期待していますよ。」
姫からも一言もらい、ゼロスは複雑な気持ちで城を後にした。
(リーガル…プレセア…か。仲間、だったんだな。そういえば)
2年以上も皆と離れ、ゼロスの辞書から“仲間”という言葉はすっかり薄れていたのだ。
「とりあえず、さっさと終わらせて帰るか。」
ゼロスはセバスチャンに一言言い残して、メルトキオを出発した。