D.Gray-man小説

□✝第三話✝前篇
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いたい………

何でこんなことをする………?

やったって意味がないのはわかってるのに………?



がばっとルイは体を起こす。

荒く息を繰りかえす。

頬を冷や汗が伝う。

肩を震わせる。

顔は少し青ざめている。

しばらくしてルイはまわりを見渡した。

そこは見慣れた黒の教団の自分の部屋のベットの上で、
ため息をつく。


「夢だったのか…」

ぐらりとするが腕で体を支え起き上がり仕度をする。

そうして準備をすますと食堂へ向かう。

まだ夢が残っている。



食堂に入ってすぐにルイは声をかけられた。


「ルイ、おはようさ〜♪」

「ん〜おはようラビ〜」

「ん?」

ラビはルイの顔をまじまじと見る。


「顔色悪いけど大丈夫さ?」

「大丈夫。少し夢見が悪かっただけ」

「ならいいさ♪一緒に食べようさ」

「いいよ」


二人で並んで注文に向かう。

ルイはぐらりと体を少し傾かせた。

「おっと」

ぐいっと腕をラビに引かれなんとか倒れずにすんだ。

「ルイホントに大丈夫さ?」

自分の体に戸惑いを覚えつつもルイは笑顔を作る。



「大丈夫。昨日特訓しすぎたねやっぱ・・・」

「ご飯をちゃんと食えばいいさ。何食べる?もってきてあげるさ」


「ありがと…じゃあオムライスが食べたい」



ラビに頼むとルイは先に席に着いた。

まだ多少くらくらする。


夢のせいかここに来てからはほとんど考えなかったことが頭の中を支配する。


「持って来たさ♪」

目の前にトレーが置かれる。

暖かそうな湯気がふわふわと漂う。


「昨日ちゃんとあの後寝たんさ?」

「ァハ♪実を言うとあの後も練習してた。」


小さく頂きます、と言いルイはオムライスを食べ始める。

ラビは何かいいたそうだったがいつも通りにみえるので何も言わずに食事を始めた。



もうほとんど食べ終わった時だった。


「お〜いルイとラビ終わったら司令室に来てくれ」


リーバーに言われ二人は顔を見合わせる。
「もしかして初任務?!」

「そうだな。できるだけ早くしろよ?」


それだけ言うとリーバーは忙しそうに先へ行く。


「俺はもういいけどルイは?」

「大丈夫。すぐ片付けていこう!!初任務なんだからな」


そう言うと席から立ち上がる。



「入るさ♪」

ラビが言いながら扉を開ける。


「うっわ!!ユウがいる!!」

「お〜ホントだユウさ」

「………おせぇ」


相変わらずの仏頂面で神田がすでに司令室にいた。

「もしかして初任務は三人?」

「だろうな」

「緊張するな〜♪」

「知るか」

ぷいとそっぽを向く神田を気にせずにルイは隣に座る。

そしてさらに隣にラビが座る。






「は〜い待たせたねえ三人とも」

ばーん、と明るく音をたてながら後ろにリーバーとリナリーを従えてコムイが入ってくる。

「はい、リーバーくん資料の準備」

「わかってます」

リーバーは資料を壁にかけ始めリナリーが三人にファイルを配る。

「今回のは難しいかもしれないんだ。ルイは初任務なんだけど、そんなことは言ってられなくてね」


「そんなに難いのか?」

「難しいっていうか…上からの要請もあってねぇ…」

「そんなに重要な任務なんさ?」

ラビが机に肘をつきながら聞く。

「う〜ん微妙なんだけど…場所はユダヤの奥地。そこに伝わる伝説と奇怪だ。」

ぺらりとファイルをめくりコトが呟く。

「変な伝説と呪い…?」

「そ。その変な伝説について調べてきてほしいわけ」

「暇人さね上のやつらは」

「まあまあラビ、そう言わないで〜で、そこの村にほんとに変な話があるわけ」

「何が?」

「幽霊が出るとかでないとか…」

「ギャハハハ!!そんなわけないじゃん、コムイは実は馬鹿!?」

「ルイ、ひどい…」

「ゴメ…でも、プッ・・・」

「…嘘だろ」

「まぁたぶんAKUMAだろうけど、ファインダーの人たちもそれらしきものを見たらしくてね。」


いい憎そうにコムイは言葉を濁らす。

「つまり………」

今まで黙っていたルイが唐突に話し出す。

「心霊写真を撮れってこと??」


がたっと盛大な音を立てて神田が机に頭をぶつけ。

ばさばさと音を立てながらラビの手からファイルが落ちる。


リーバーもリナリーも唖然としながらルイを見ている。

「そうなんだよ〜僕、ここにとじこめられてるでしょ?だから、ルイにとってきてもらいたくて…」

「いいよっ!!」

笑いながらルイは親指を立てる。

「で、神田君とラビは適当に」


「幽霊ならここにもいるんじゃねぇさ?」

みんながラビを一斉に見る。

「ラビ!!そういうことは言うな!夢が壊れるだろ!!」


(((そういう問題?!)))


「早くいこ〜、だって、俺の初任務なんだから!!」

「……知るかよ」


「まあ詳しくはその資料みてで、できれば今日の午後出発してね」


了解、と三人はそれぞれ部屋に一端戻った。
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