+ 桜 +

□君に降る、たくさんの幸せを
2ページ/3ページ



― 銀時ィ、目ぇ覚ませや ―

― 金時、起きちょう ―

― パー子、起きろ ―

― 万事屋!起きやがれ ―

― 旦那ァ、起きてくだせィ ―


枕元で騒ぐ声に目を覚ますと、有り得ない奴らがいた。

……うあっ?なんだ?

なんで、おめぇら揃ってんの?

何してんの?


「嫌ですぜィ、旦那。皆で旦那の誕生日パーティーをやるって約束、忘れたんですかィ?」

そーだっけ?
そんな話したっけか?

「うむ、今日は特別な日だからな。真選組とは休戦だ」

そーなの?
つか、なんでヅラ子の格好してんの?

「あぁ、仕方ねぇ。だが今日が終わったら即効、逮捕だから覚悟しろよ。桂、高杉」

「ククッ、テメェらに捕まるほど落ちちゃいねぇよ…」

俺を囲んで警察とテロリストが何時にも増して険悪になっている。

さっき、俺の誕生日を祝いに集まったとか言ってたよな。

今にも戦闘開始的な雰囲気ですけど…。

ホント何しにきたの、コイツら。

そんなムードを暢気な声が打ち破った。

「ほいじゃあ、金時。船がついちょるき、行くぜよ―」

あ、辰馬もいたんだっけ。

だから銀時だって何回も言ってんだろ、このモジャがっ。

玄関を開けると快援隊の船が横付けされていた。

船に乗り込み辰馬達とホールに行くと、おいしそうな料理と大勢の人が集まっていた。

「銀ちゃーん、こっちアル!この肉めちゃ柔らかいネッ!定春も喜んでるアル」

肉にかじりつきながら神楽が手を振る。

おー、良かったな。

食いだめしとくんだぞ。

「銀さん、お通ちゃんのライブも始まりますよっ!」

新八…お前はそっちがメインか。

「銀さん、ドンペリのドンペリ割りで良いかしら?」

ん〜。まさか金とったりしないよね?

「お妙さーん、こっちにもよろしぐはぁっ!!」

妙に大理石の灰皿を投げ付けられたゴリラは、鼻血を出しながら倒れた。


賑やかだなぁ。

長谷川さんや源外の爺さん、ハタ皇子までいる。

皆、来てくれたんだ。

すげぇ嬉しい……。

胸の辺りが熱くなる。

黙っていたら、泣いてしまいそうだ。

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ