+ 桜 +
□君に降る、たくさんの幸せを
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― 銀時ィ、目ぇ覚ませや ―
― 金時、起きちょう ―
― パー子、起きろ ―
― 万事屋!起きやがれ ―
― 旦那ァ、起きてくだせィ ―
枕元で騒ぐ声に目を覚ますと、有り得ない奴らがいた。
……うあっ?なんだ?
なんで、おめぇら揃ってんの?
何してんの?
「嫌ですぜィ、旦那。皆で旦那の誕生日パーティーをやるって約束、忘れたんですかィ?」
そーだっけ?
そんな話したっけか?
「うむ、今日は特別な日だからな。真選組とは休戦だ」
そーなの?
つか、なんでヅラ子の格好してんの?
「あぁ、仕方ねぇ。だが今日が終わったら即効、逮捕だから覚悟しろよ。桂、高杉」
「ククッ、テメェらに捕まるほど落ちちゃいねぇよ…」
俺を囲んで警察とテロリストが何時にも増して険悪になっている。
さっき、俺の誕生日を祝いに集まったとか言ってたよな。
今にも戦闘開始的な雰囲気ですけど…。
ホント何しにきたの、コイツら。
そんなムードを暢気な声が打ち破った。
「ほいじゃあ、金時。船がついちょるき、行くぜよ―」
あ、辰馬もいたんだっけ。
だから銀時だって何回も言ってんだろ、このモジャがっ。
玄関を開けると快援隊の船が横付けされていた。
船に乗り込み辰馬達とホールに行くと、おいしそうな料理と大勢の人が集まっていた。
「銀ちゃーん、こっちアル!この肉めちゃ柔らかいネッ!定春も喜んでるアル」
肉にかじりつきながら神楽が手を振る。
おー、良かったな。
食いだめしとくんだぞ。
「銀さん、お通ちゃんのライブも始まりますよっ!」
新八…お前はそっちがメインか。
「銀さん、ドンペリのドンペリ割りで良いかしら?」
ん〜。まさか金とったりしないよね?
「お妙さーん、こっちにもよろしぐはぁっ!!」
妙に大理石の灰皿を投げ付けられたゴリラは、鼻血を出しながら倒れた。
賑やかだなぁ。
長谷川さんや源外の爺さん、ハタ皇子までいる。
皆、来てくれたんだ。
すげぇ嬉しい……。
胸の辺りが熱くなる。
黙っていたら、泣いてしまいそうだ。