+ 椿 +

□銀色の宝物 2
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バス通りにある、銀時お気に入りの喫茶店。

俺が注文したのは結局、宇治金時。

なんだかんだ言いながら銀時の要望に応えてしまう自分は、つくづく甘いと思う。

なのに、早く来ないかな〜なんてニコニコしている銀時を見ると、もっともっと甘やかしたくなる。


銀時の笑顔に見惚れていると、イチゴ氷と宇治金時が運ばれてきた。



「いっただきまーす!」

スプーン握りしめちゃって、カワイイ奴。

さて俺も食べるかと、改めて宇治金時を見る。

小豆に練乳がたっぷり掛かっていて…。

見るからに甘い。

やっぱ、ブルーハワイにしときゃ良かった。


三分の一ほど食べて、持て余してしまう。


「多串君、もぅ食べないの?」

イチゴ氷を完食した銀時が、俺の一向に減らないグラスを見る。

「結構、甘いんだよ。食うか?」

「いいの?」

おっ、嬉しそう。

グラスを前に押しやろうとすると、銀時が口を開いている。



これは、あれか?


アーンってヤツか?


興奮に震えながら氷を掬い、小さな口に運ぶ。


パクリ


「ん〜、んまいっ!」

唇に付いた練乳をシロップで赤く染まった舌先が舐めとる。


その姿っ―――エロッ!!


誘ってんのかコノヤロー!

はぁはぁと荒くなる呼吸を抑え、


も、もう一匙…。


「冷たっ!」


あ、シャツん中に落ちた。

「ちょっ、小豆も入ったよね?!ヤバイ、汚したら八兄に怒られるっ!」

どこいった?とシャツをはだけだす銀時に鼻血がでそうだ。

綺麗なピンク色したおマメさんなら、バッチリ見えたぞっ!

グッジョブ!小豆!

+++


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