遙かなる唄箱

□遙かなる時空の中で2 花をとめ
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風葬の荒野/源 頼忠(三木眞一郎)


…この魂の慟哭 悔恨(かいこん)の亡骸(むくろ)よ…

運命(さだめ)切り裂く背中の傷 たどる指先
鼓動が 疾走(はし)る ああ

こんな穢れの証に何故 あなたは触れる
淡い吐息が 痛い

無言のまま語るこの慕情
あなただけが生きる意味となった

死に場所を探してた 断罪の日々
あなたへとこの生命 捧げたとき
優しげなてのひらに 瞼伏せられ永眠(ねむ)る
あの日を 葬るために
風葬の荒野に 立つ

裂けた石榴(ざくろ)をもぎ取るように 魂をちぎり
捨てる 夢見た ああ

空を見据えて降り止まない 剣(つるぎ)の宿雨(しゅくう)に
打たれたいと 願った

消えて果てる宿命(しゅくめい)の我が身
あなただけが生きる糧となった

この胸にかき抱(いだ)き 強く深く
閉じ込めてしまいたい 無垢なあなた
透きとおる微笑みを 決して壊しはしない
あなたを守り抜くため
寂寥(せきりょう)の荒野を ゆく

死に場所を探してた 断罪の日々
あなたへとこの生命(いのち) 捧げたとき
息絶えた悔恨(かいこん)は やがて空へと還る
あなたと生きてゆくため
風葬の荒野を 去る

…絶望の涯(は)ての希望 あなたを離しはしない…

 
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