遙かなる唄箱

□遙かなる時空の中で3 〜花月の宵〜
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修羅よ赤芥子の宴となれ/平 知盛(浜田賢二)


空に挑む一羽の 鵺(ぬえ)は風を斬る
傷を負った夕陽よ 彼方に去れ

逢魔が時(こく) 無常の鐘は鳴り響く
影が揺れて お前の姿となる

炎の瞳の 優美(うつくし)き獣
この手でお前に 刻印 きざめるのか

魂を 焦がしてくれ
じりりと 燃え残る飢餓
戦いは 修羅の宴
生と死との境涯(はざま) 見せてくれ


瞼の裏灼熱(やけ)つく 六道(ろくどう)にひとり
やがて迫る至福に 胸が高揚(さわ)ぐ

炎の吐息の 優雅(しなやか)な獣
お前の全てが 俺を 求めるのか

魂を 陶酔(よ)わせてくれ
くらりと 破滅への眩暈
戦いは 阿修羅の本望(ゆめ)
俺とお前だけに 見せてくれ


魂を 射抜いてくれ
命は 赤芥子の花
戦いは 修羅の宴
散るも咲くも花よ 誇らしく…

 
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