遙かなる唄箱

□遙かなる時空の中で3 〜花月の宵〜
2ページ/5ページ

 
花篝はなかがりのささやかな恋よ/平 敦盛(保志総一朗)


ひらりと 思い出したように
落ちる花びらは あの 夜桜の涙
ゆらりと 美しきあなた ささやかに照らす
そう 花篝に似た この恋よ

あなたのてのひらが
舞い降りた一片を追いかけ 淡い戯れ

桜色の雫 つかまえたあなたはふり向いて
私のためだと…

耳朶(みみたぶ)に触れる
囁きの微熱がせつなくて

すべてが 幸せと呼べる 時に包まれて
ただ あなたを見つめる
つかのま 美しき夢を ささやかに灯す
そう 花篝に似た この恋よ

満月の瞳が
宵闇の箱庭に見つける 影絵の抱擁

指先でたどる
曲線のぬくもり 愛しくて

すべてが 移り変わろうと 四季の彩りは
この 心に消えない
つかのま 美しき春を ささやかに灯す
そう 花篝に似た この恋よ

…消えてゆく篝火の 想いは消えはしない…

はらりと 縛られた鎖が ほどけ花びらに
今 浄化(きよ)らかな気持ち
ゆらりと 美しきあなた ささやかに照らす
そう 花篝に似た この恋よ

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ