Dream
□初めてのチュウ
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「送ってくれて、ありがとう」
初めて、仁がバイクに乗せてくれた。アタシと仁は今日は初めてデートをしたのだ。
仁が行くとこについていっただけだけどあれは立派なデートに違いない。…て、アタシは思ってる。
「………ああ」
低くそう呟くと、仁はアタシの顎に手をあてた。キスされるのかと思ってドキッとしたんだけど、ヘルメットを外されただけだった。
「…………ヘルメットか…」
思わず口に出してしまった。
そしてそれを、仁が聞き逃すはずもなくて(動物並みだからね)仁の大きな手はアタシの顎をしっかりと掴んだ。
「………………んっ…」
乱暴なキス。
だけどアタシの大好きなキス。
これがアタシのファーストキスだ。唇を押さえると仁の温かさが残ってて、嬉しくて幸せでどこかが何かでいっぱい。
「これ、ファーストキス」
少しだけ、からかう口調で仁に言った。
「……………!」
すると仁の眉が少しだけ上がった気がしたんだ。そんな仁を見て、アタシは子供みたいにはにかんだ。
「これからよろしくお願いします」
頭を下げて、またアタシははにかんだんだの。
Fin