Dream
□ザ・ノーマル・プリンス
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ずっとずっと好きな人がいます。
片思いとか、めんどくさいものをしてしまった…とか思った時にはもう遅くて溜め息つきまくりです。
大体、相手が悪かった。
モテすぎ。モテすぎなんだよ、不二君。
下手なアイドルなんかよりすっごいよ。モテすぎだよ。テニスは上手いし、顔は…もちろんカッコ良いわけだし。
そしてそんなライバルには勝てるとは思ってませんけど……
ですが!そんなアタシにもチャンス到来です。席替えという名の。
(……神様ぁ…)
………結果。
神様いるよ!
アタシ信じる!
今だけかもしんないけど、信じます。期間限定でキリストに染まるよ!
隣、ゲット。
(うわ、アタシ死にそう)
だ、だって1メートルもないんだよ!不二君との距離が!うわぁ恥ずかしい。なんか、すごい…すごい恥ずかしい。
「………っ…」
「……よろしくね」
「うっうん…!」
声ー裏返ったーっ!!!
「こ、こちらこそよろしくね!!」
顔が、顔が赤くなるよ…
動悸が激しいです。
一方の不二君はすっごい涼しげ〜な笑顔ですね。ホントに素敵ですね。アタシの顔は相変わらず真っ赤なのに、不二君にばれないか必死で。
しかも今日はテスト返却だったりして、緊張は最高潮です。ホント、心臓が飛び出すって感じがよく分かる。大半(っていうか、全部)は不二君のせいなんだけど。
「はぁ〜………」
テストの結果なんか目に入らない。
「大丈夫?」
そうアタシを心配してきたのは不二君だった。不二君はもちろん、アタシがテストの結果のせいで落ち込んでるって思ったみたい。
「結果、悪かったの?」
「えっ……えっとー…」
そうゆうわけじゃ、ないんだけど……と不二君にいえるはずもなくて。
「………………98!?」
す、すごい。
初めてみた、こんな点数。すごいや、不二君ってこんな頭良かったんだ…
テニスだけじゃなくて…
「……すごい、不二君」
「……え?…たまたまだと思うよ。…古典って得意だし」
「…そうなの?……けどすごいと思う…」
思わずアタシが出した溜め息を不二君は見逃さなかったらしい。
「なんか…落ち込んでるみたいだけど…僕で良かったら教えるから言ってね?」
「……………」
え。
あ、お、教えるって。
不二君が、アタシに?
「ホントに!?」
思わず大声をあげた。
いや、だってこれは大声をあげずにはいられませんって。