第5巻マ

□第127話 怒りの風翔龍!
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「ハンターさん、起きてください。ピーターさんが来ていますよ。」

フローラがピーターさんの来訪を告げにくる。

「ピーターさんが?何かあったのか?」

「いえ、私は何も聞いていませんから。」

とにかく私は急いで食卓へと向かう。

「あ、エバンスさん、おはようございます。お邪魔しています。」

「どうしたのですか?こんな朝早くに。」

「い、いえ、別に。あ、そうそう。この間の武器購入のお礼を言いに来たのです。」

ピーターさんは今思い付いたように来訪の理由を告げる。

「ピーターさんはニーナさんに会いに来たと思いますよ。」

メアリーが私に小声で言う。
確かにピーターさんは私と会話をしながらもほとんどニーナばかりを見ている。

「せっかく来たのですから一緒に朝食でもどうですか?」

「あ、ありがとうございます。ニーナさんと一緒に朝食か・・・・・」

ピーターさんの鼻の下はのびきっている。
私はマリーとマシューに朝食の追加を告げる。

「朝食前に情報を仕入れに行ってくる。」

「待って、私も行くわ。」

ニーナが私の後を追う。ということは当然ピーターさんがニーナの後を追ってくる。

「エバンスさん、現れましたよ。え〜っと何でしたっけ?クシャミダオラでしたっけ?」

「クシャルダオラです」

「どこ?どこにいるの?早く言いなさい。」

ニーナがアーサーさんの胸倉を掴み持ち上げる。

「く、くる・・しい・」

アーサーさんの体から力が抜ける。気絶したようだ。

「砂漠で目撃されています。」

アーサーさんの代わりにステファニーさんが伝える。

「砂漠ですね。行くわよ、エバンス。あ、それとアーサーさんのこと、すみません。」

「別にいいわよ。私が気絶したわけでもないから。」

私はステファニーさんに情報料を支払い、契約書にサインをして一度家に帰る。

「エバンスさん、朝食の準備が出来ていますよ。」

私達は朝食をとり狩りの準備をする。

「それでは私はこれで失礼します。」

ピーターさんが挨拶をして帰ろうとした時。

「今日は手伝ってくれないの?」

ニーナが瞳をうるうるさせてピーターさんを見る。

「もちろん、お手伝いさせていただきます。」

ピーターさんの返事を聞いてニーナがこちらを振り向き笑顔でVサインを出す。
・・・あ、悪魔だ・・・

私達は砂漠へ向かいクシャルダオラを捜す。

「お師匠様、いました。あそこです。」

私はメアリーが指差す方向を見てみる。確かにクシャルダオラだ。

「行くわよ。」

もちろん先陣を切ったのはニーナだ。そのあとをピーターさんが追う。
もはやストーカーだ。

「行くぞ、メアリー、アシュリー。」

私達も後を追う。

「危ない。」

クシャルダオラのいきなりのウィンドブレス。私はメアリーとアシュリーを抱えてダイビングしてかわす。

「大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます。」

安心したのもつかの間、クシャルダオラは飛び上がり私達を追い掛けながらウィンドブレスをはく。

「ぎょえ〜〜〜〜!!危な〜〜〜い!!!」

私達は間一髪避ける。

「も、もしかして怒ってます?そりゃそうだろうな。顔面を破壊されたら誰でも怒るだろうな。」

「何をブツブツ言っているの?行くわよ。」

ニーナの号令とともにアシュリーが閃光玉を投げる。
私も遅れをとってはいけないとクシャルダオラに猛然と突撃する。しかしクシャルダオラのパンチが私の目の前に飛んでくる。

「にぎゃ〜〜〜!!!」

避けきれないと思った私は大剣でガードをする。

「仕方ない。足元を攻撃するか。」

私は足元に向かうがメアリーとニーナがいて混み合っている。

「邪魔よ。」

私はニーナに突き飛ばされる。私は尻尾の方向へ転がりその勢いでクシャルダオラの尻尾を切る。

「ん?何だこれは?」

私は改めてクシャルダオラを見てみる。尻尾がない。

「あ、ごめんなさい。切ってしまいました。」

クシャルダオラは私目掛けて猛然と突っ込んでくる。

「や、やめて〜。あれは事故だ。だ、誰か助けてくれ〜。」

私のSOSにピーターさんが弓で答えてくれる。
弓矢がクシャルダオラを貫通してクシャルダオラがひるむ。そのすきに私は安全圏に脱出する。

「ありがとうございます。助かりました。」

「エバンスさん、一気に片付けましょう。あと少しです。」

アシュリーが閃光玉を投げて剣士の3人が一斉攻撃をする。

「いくぞ、必殺!・・・・・・」

私が必殺技を出そうとしたとき、ニーナの太刀がクシャルダオラの顔面をとらえクシャルダオラは絶命する。

「お、遅かった・・・」

「何を落ち込んでいるの?帰るわよ。」

私はニーナに促され立ち上がろうとしたときクシャルダオラの中に玉のようなものがあるのに気付く。それを剥ぎ取り持ち帰る。

「ただいま、セフィリア、これを見てくれ。」

私は先程の玉をセフィリアに渡す。

「これは鋼龍の宝玉ね。けっこうレア物よ。いつかは役に立つから持ってなさい。」

私は鋼龍の宝玉を受け取り道具箱へ片付ける。

「いつかは役に立つと言われても使い方が解らないではないか。」

私はセフィリアに聞こうと食卓へ戻る。

「ん?セフィリアはどこへ行ったのだ?」

「たった今、研究室へ行きましたよ。」

メアリーの言葉を聞いて研究室へ入る。

「セフィリア、鋼龍の宝玉の使い方って・・・・・・・・」

私はノックをせずに入ったことを今更ながら後悔する。
セフィリアは着替え中だった。

「あ、あの〜、セフィリアさん・・・怒ってます?」

「怒ってないように見える?」

「わぎゃ〜〜〜!!!ごめんなさ〜〜〜い!!」


・・・・つづく。

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