第4巻マ

□第102話 情報屋の実力!?
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「お師匠様、起きて下さい。朝ですよ。」

いつものように起こしにくるメアリー。そしていつものように意識は起きているが体が言うことを聞かない私。

「よいしょっと・・・・お、重い。」

重い?私は気になって薄目を開けてメアリーを見る。

「お、おはよう、メアリー。ちゃんと起きたからハンマーを片付けてくれ。」

「ダ、ダメです。もう止まりません。」

ズド〜〜〜ン!!!
私は間一髪避けたがベッドは粉々になってしまった。

「おはようございます、お師匠様。さあ、朝食にしましょう。」

メアリーは何事もなかったように私に食卓へ向かうように促す。

「はぁ、またベッドを作らないといけないのか・・・・・・」

私は朝からブルーになりながらも食卓へと向かう。

「相変わらずセフィリアは朝から忙しいようだな。」

昨日と同じようにリビングには村民が10人程来ている。セフィリアは昨日程は不機嫌ではないが淡々と村長の仕事をこなしている。

「おはようございます、エバンスさん。もうすぐ朝食ができますから。」

「そういえばアシュリーの姿が見えないが・・」

「アシュリーならお姉様のお仕事をお手伝いしています。」

私はリビングを覗いてみる。確かにアシュリーは村民が渡した書類を種類別に分ける手伝いをしている。

「お待たせしました。朝食の準備ができました。」

「セフィリアとアシュリーを待ってあげよう。」

私達はセフィリアとアシュリーの仕事が終わるのを待って朝食にする。

「さてと、アーサーさんの所に行ってみるか。」

「調査に行く手間も省けるしモンスターの種類も解るから楽よね。お金は掛かるけど・・・・・」

地味に嫌味を言うセフィリアを無視して私はアーサーさんの事務所へ向かう。

「アーサーさん、何か情報はありましたか?」

「どうも、いらっしゃいませ、エバンスさん。情報ですか?ありますよ。沼地でダイミョウザザミを目撃しました。」

「まさか、自分で調べたのですか?」

「この村にはモンスターを知っている人が少ないですからね。」

バキッ!!
「あんたが調べたわけじゃないでしょ。」

ステファニーさんのハイキックがアーサーさんの側頭部をとらえる。

「うわぁ、大丈夫ですか?アーサーさん。」

アーサーさんは完全に気絶している。

「で?どうします?行きますか?」

気絶しているアーサーさんに代わりステファニーさんが商談を進める。

「はい、いきます。」

「それでは情報料をいただきますね。」

私はステファニーさんに情報料を支払う。

「それよりもアーサーさんは大丈夫ですか?」

「死んでないから大丈夫よ。気をつけて行ってきてね。」

私はアーサーさんに同情しながら一旦家へ戻る。

「というわけで沼地に向かうぞ。」

「はい、お師匠様。」

私はダイミョウザザミ対策としてシビレ罠とトラップツールとゲネポスの麻痺牙を持って出掛ける。

「アシュリー、私がシビレ罠を仕掛けたら弓矢を撃ってダイミョウザザミをシビレ罠まで誘導してくれ。」

「わかりました。お任せください。」

「メアリーはダイミョウザザミがシビレ罠にかかったら双剣乱舞をできるだけ叩き込むのだ。」

「はい、お師匠様。」

私は完璧な作戦を立ててダイミョウザザミと対峙する。

「よし、作戦通りにいくぞ。」

私は早速シビレ罠のセットに入る。
しかし・・・・・・

「どわぁ!!ドスランポスまでいるではないか。」

私がシビレ罠をセットしているところへドスランポスが邪魔に入る。

「アシュリー、ダイミョウザザミの注意を出来るだけ引いてくれ。私とメアリーは先にドスランポスを倒す。」

「はい、やってみます。早く倒してくださいね。」

私とメアリーはまずドスランポスの討伐を優先する。

「メアリー、必殺技はまだ使うな。ダイミョウザザミもいることを忘れるな。」

「わかっています。お師匠様よりは記憶力はありますから。」

う・・・・。私の心は果てしなく傷付いたぞ。

「お師匠様、集中してください。早く倒してアシュリーを手伝いますよ。」

「はい、すみません。」

私は弟子に本気で怒られる。思わず敬語がでてしまう。

「よし、ここは任せたぞ。いけるな、メアリー?」

「はい。」

私はドスランポスをメアリーに任せてアシュリーの助けにはいる。

「待たせたな、アシュリー。それでは作戦通りにいくぞ。」

私は再びシビレ罠のセットにはいる。

「アシュリー、こっちだ。」

アシュリーがダイミョウザザミをおびき寄せ見事にシビレ罠にかける。

「よし、今だ。」

私は大剣を振り上げ力を込めて振り下ろす。

「お師匠様、お待たせしました。」

ドスランポスを倒したメアリーが加わる。
メアリーが双剣乱舞を叩き込む。その間に私はシビレ罠を作りセットする。

「メアリー、アシュリー、今度はこっちだ。」

再びダイミョウザザミをおびき寄せシビレ罠にかける。

「離れてください。いきます、必殺!1日1回限定適当弓矢乱れ撃ち。」

アシュリーの弓矢が止まるのを待って私とメアリーはダイミョウザザミに接近する。

「いくぞ、必殺!以下省略。」

「いきます、必殺!以下省略。」

私達の必殺技三連発にダイミョウザザミはあえなく絶命する。

「さて、帰るか。」

私達は村に戻りアーサーさんの事務所を訪ねる。

「アーサーさん・・・・まだ気絶しているのか・・・・・」

「あ、エバンスさん、ダイミョウザザミは討伐できましたか?」

「はい、でもドスランポスもいましたよ。」

「そうなの?ごめんなさいね。後でアーサーを説教しておきますね。」

アーサーさんが調べたわけではないのではなかったか?
・・・・可哀相に。

「それでは私達はこれで。」

ステファニーさんに挨拶し私達は家へ戻る。

「おかえり、お疲れ様。成功報酬はもらってきた?」

「成功報酬って?」

私はタダ働きどころか情報料でマイナス収支の仕事をしていたようだ。当然セフィリアのダイナマイトパンチの餌食になる。


・・・・つづく。

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