第4巻マ
□第98話 セフィリアの調合品!
1ページ/1ページ
「お師匠様、起きてください。朝ですよ。」
いつものようにベッドの上で暴れるメアリー。それにつられてアシュリーも暴れる。
「わかった、もう起きたからベッドから下りてくれ。」
「おはようございます、お師匠様。」
「おはようございます、師匠。」
「おはよう、メアリー、アシュリー。」
「お姉様が話があるからすぐに来いと言っていましたよ。」
話があるならお前が来い。とは言えるはずもなく私は急いで食卓へ向かう。
「遅いわよ、馬鹿ハンター。まぁ、いいわ。」
これでも目一杯急いだのだが・・・・・。
「で、何の用だ?」
「これよ、今日はこれの効果を試してきて。」
私は不思議な玉を渡される。
「何だこれは?」
「使えばわかるわ。ただし投げた後は耳を塞いでね。」
「え?」
私は全てを聞き終える前に外に投げてしまった。
キ〜〜〜〜ン!!!!
物凄い金属音が鳴り響く。
と同時に物凄い勢いでセフィリアのダイナマイトパンチが飛んでくる。
「人の話は最後まで聞け!!!」
「ご、ごめんなさい。」
「第10話で私が言った砂漠化の事を覚えてる?」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「もういい。あなたに期待した私が馬鹿だったわ。つまりポッケ村の南側が砂漠になったから調査に行きなさいと言う事よ。わかった?」
「ああ、わかった。それでこれの使い方は?」
「いくら馬鹿ハンターでもガレオスくらいは知っているでしょ?」
「もちろんだ。砂に潜っている魚竜だろ?」
「その魚竜を驚かせて地上に出す為に使うのよ。名付けて音爆弾。」
相変わらず凄いネーミングセンスだ。別の意味で・・・・。
「何か言った?(怒)」
「いえ、解りやすくて良いネーミングだと。」
「そうでしょ。じゃ、頼んだわよ。」
私達は朝食を済ませ早速砂漠へと向かう。
「クーラードリンクが無ければ5分と持たなかったですね?お師匠様。」
メアリーの言うように砂漠から熱気が存分に伝わってくる。
「師匠、あれがガレオスですか?」
砂の中を自由に動き回るモンスターを指差しアシュリーが尋ねる。
「そうだ。早速、音爆弾を投げるから二人共、耳を塞ぐのだ。」
「はい。」
私は音爆弾を投げて耳を塞ぐ。するとガレオスは驚いて砂の中から地上へと姿を現す。
「で、でかいな。間違いなくドスガレオスだ。メアリー、アシュリー、気をつけろ。」
「はい、お師匠様。」
「師匠、私は後方から弓で援護します。」
「頼んだぞ、アシュリー。」
私とメアリーはドスガレオスに突進する。アシュリーは弓を撃ちドスガレオスの注意を引く。
「アシュリーもかなりハンターらしくなったな。負けていられないな?メアリー。」
「はい、行きますよ。お師匠様。」
メアリーは足元に入り込み双剣乱舞を叩き込む。私はかなり恐いがドスガレオスの顔面に大剣を振り下ろす。
「メアリー、危ない、避けるのだ。」
ドスガレオスは体の側面を使い体当たりを敢行する。私とメアリーは間一髪で避ける。
「師匠、メアリー、離れてください。必殺!1日1回限定適当弓矢乱れ撃ち。」
アシュリーの弓矢乱れ撃ちは確かに弓矢が乱れて私とメアリーにも当たりそうになる。しかしドスガレオスが一瞬怯むのを私とメアリーは見逃さなかった。
「いくぞ、必殺!1日1回限定適当大剣振り回し」
「いきます、必殺!1日1回限定、超双剣乱舞。」
ドスガレオスはほとんど何も出来ずに絶命する。
「アシュリー、よくやったぞ。」
「はい、ありがとうございます。師匠。」
「メアリーもよくあの一瞬を見逃さなかったな。よくやったぞ。」
「はい、ありがとうございます。お師匠様。」
私達は意気揚々と家へ帰る。
「ただいま。」
「おかえり、どうだった?音爆弾は?」
「ああ、物凄い効果だったぞ。ドスガレオスが驚いて地上に飛び出した時は最高の気分だった。」
「ということは大成功ね。」
セフィリアは上機嫌だ。今日はこれ以上何も起こらないだろう。
私は完全に油断して道具袋から取り出した音爆弾を落としてしまう。
キ〜〜〜〜ン!!!!
「ぎえ〜〜〜〜〜!!!!!!!」
私は音爆弾の音の大きさに思わず叫んでしまう。しかし、それ以上にセフィリア、マリー、メアリーに囲まれての三方向からのダイナマイトパンチに叫び声をあげる。
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜!!!ごめんなさ〜〜い !」
・・・・つづく。