第4巻マ

□第96話 メアリー、意外な弱点!
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「ダイナマイトパンチ〜〜〜!!!」

「はぐぁっ!!!!!」

メアリーの不意打ちパンチで私の今日の朝が始まる。

「おはようございます、お師匠様。」

「おはようございます、師匠。大丈夫ですか?」

「おはよう、メアリー、アシュリー。何とか大丈夫だ。」

本当はかなり痛いがやせ我慢をして答える。

「師匠、涙目になっていますよ。」

「寝起きの私はいつも涙目だ。」

私は苦しい言い訳をして食卓へ向かう。

「おはよう、どう?ラージャンを倒した気分は?」

「どう?と言われても結局、今回も謎のハンターに助けてもらっているわけだからなぁ。」

「それもそうね。で?今日は謎のハンターを捜すの?私も手伝うわよ。」

何を張り切っているのだ?それに謎のハンターはしばらく放っておくと決めたのだから捜す気はさらさらない。

「いや、今日は密林の調査に行くよ。密林だとアシュリーの修業にちょうど良いからな。」

「そう、わかったわ。馬鹿ハンターって一度決めたことは貫き通すタイプなのね。そういうの好きよ。」

な、なんだ?いつものセフィリアではないようだ。私はセフィリアのおでこに手をあててみる。

「熱はないな。」

「どういう意味よ?」

「いつものセフィリアと違うから気味が悪くて・・・・・」

セフィリアはノーモーションでダイナマイトパンチを繰り出す。

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

「悪かったわね。これでもいつもと違う?」

「いえ、いつものセフィリアです。」

「はい、はい、朝食ができましたよ。」

私達は朝食を済ませ密林へと向かう。

「お師匠様、アシュリーもかなり上達しましたよね?」

「ああ、もう立派なハンター見習いだ。」

「ありがとうございます、師匠。」

「あとはメアリーのように何事にも恐れない勇気があれば良いのだが。」

「でも、お師匠様、アシュリーのように慎重に事を成すのも長所だと思いますよ。」

最近のメアリーは冴えている。すでに私の知能を越えているのではないか?

「その通りだな、メアリー。メアリーの勇気も長所だがアシュリーの慎重な行動も長所だ。」

「でも、師匠。メアリーにも弱点はありますよ。昔からメアリーは・・・・・・」

「きゃ〜〜〜〜!!!」

何事かとメアリーの方向を見るとそこには巨大なランゴスタが。

「でかすぎるだろう、これは・・・・・・」

「師匠、早くメアリーを助けてください。メアリーは昔から虫が苦手なのです。」

確かに何事にも恐れないメアリーがしゃがみ込んで何もできていない。

「メアリー、今助ける。どうりゃ〜〜!!!」

私は巨大ランゴスタに大剣を振り下ろしメアリーの元へ駆け寄る。

「大丈夫か?メアリー?立てるか?」

良く見るとメアリーは泣いている。私はメアリーを抱き上げアシュリーの居る所まで戻る。

「アシュリー、メアリーを連れて逃げるのだ。」

「でも、師匠が一人になってしまいます。」

「私なら大丈夫だ。それよりも今はメアリーが大事だ。頼んだぞ、アシュリー。」

「はい、わかりました。お気をつけて。」

アシュリーは泣いているメアリーをつれて逃げる。

「さて、どうしたものか・・・・・。ランゴスタってこんなに大きくなるのか?」

私はとりあえず閃光玉を投げてみる。

「・・・・・・かなり効いているみたいだな。」

私は巨大なランゴスタに大剣を叩き込む。閃光玉の効果が切れるとまた投げる。

「でかいといっても所詮はランゴスタだな。」

私は一気に勝負をつける。巨大なランゴスタの死体が気持ち悪い。メアリーのことも気になるので私はすぐに後を追う。

「メアリー、大丈夫か?ケガはないか?」

「はい、大丈夫です。お役に立てなくてすみません。ぐすっ・・・・」

メアリーは今度は自分自身に腹が立って泣き出す。私はこのまま家に帰るのはマズイと思いメアリーが泣き止むのを待つ。

「すみませんでした、お師匠様。もう大丈夫です。さあ、帰りましょう。」

メアリーはかなり落ち着いたようだ。これで私もセフィリアに殴られずに済む。

「ただいま。」

「お帰り、どうだった?ちょっと遅いから心配していたのよ。」

「それは、メアリーが泣き止むのを待っていたからです、セフィお姉さん。」

有無を言わさずセフィリアのダイナマイトパンチが私の顔面を捉える。

「ち、違う、話を聞いてくれ〜〜〜〜〜!!!」

メアリーとアシュリーが慌てて詳細を話すが後の祭だった。


・・・・つづく。

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