第4巻マ

□第95話 金獅子、再び!
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「エバンスさん、起きてください。朝ですよ。」

「う〜ん、あと5分・・・・・」

「殴りますよ。」

マリーは私の目の前で拳を握る。

「お、起きます。起きました。」

「おはようございます、もうすぐ朝食ができますから。」

私は眠い目をこすりながら食卓へ向かう。

「おはよう。」

「ああ、おはよう。メアリーとアシュリーはまだ寝ているのか?」

「ええ、よく眠っているわ。」

なぜ私の時は無理矢理起こすのに子供達は起こさないのだ?

「よし、私が起こしてこよう。」

バキッ!!!
「がはぁっ!!!!
な、何をする?」

私は不意打ちでセフィリアのダイナマイトパンチを喰らってしまう。

「子供を無理矢理起こすなんてあなた鬼じゃないの?」

私をぶん殴って起こすセフィリアのほうがよっぽど鬼だと思うぞ。

「何か言った?(怒)」

「いえ、セフィリアの言う通りだと言ったのです。」

私はセフィリアのオーラにびびって思わず敬語になる。

「おはようございます、お師匠様、お姉様。」

「おはようございます、師匠、セフィお姉さん」

メアリーとアシュリーが起きてくる。

「おはよう、寝坊とは珍しいな。」

「昨日、遅くまで二人で話をしていたので・・・すみません。」

「別に怒ってないぞ。寝坊を責めていたら私など毎日責められるではないか。」

「お待たせしました。朝食ですよ。」

私達はとりあえず朝食にする。

「師匠、今日はどこを調査しますか?」

アシュリーは早く防具をつけたいらしく珍しく積極的に調査に行くと言う。

「そうだな、火山に行くか。クーラードリンクを忘れずに持っていくのだぞ。」

「はい。」

私達は早速火山へと向かう。

「このクーラードリンクって本当にすごいですね。全然暑くないです。」

「そっか、アシュリーは初めて火山に来たんだね。」

メアリーとアシュリーは談笑しながら火山の奥へと進んでいく。その光景はとてもではないが狩りに来ているとは思えない。

「楽しくは良いが決して油断はするなよ。」

「はい、わかっています、お師匠様。ね?アシュリー。」

「もちろん。」

私は背中に悪寒が走った。恐る恐る後ろを振り返る。

「メアリー、アシュリー、逃げるのだ。ラージャンだ。」

「はい、行くよ、アシュリー。」

「私なら大丈夫。メアリー、師匠を助けてあげて。私は遠距離援護をするから。」

「本当に大丈夫?」

「大丈夫よ、危なくなったら逃げるから。」

「約束よ、危なくなったら絶対に逃げてね。」

「うん、約束する。メアリーも気をつけてね。」

私はラージャンの気を引いていたがメアリーが戻って来たのをみて驚く。

「何をしているのだ?早く逃げろ。」

「お師匠様、私達をもう少し信用してください。大丈夫です、危なくなったら逃げますから。」

「解った。それでは行くぞ、メアリー。」

「はい、お師匠様。」

私達は慎重にラージャンの背後に回って斬るということを繰り返す。
すると突然、ラージャンが雄叫びをあげ毛色が金色に変わる。

「あ、あの〜、もしかして怒ってます?」

ラージャンは先程までとは比べものにはならないスピードで襲い掛かってくる。

「どっしぇ〜〜〜 !!!やっぱり怒ってる。
メアリー、アシュリー、ひとまず退散だ。」

「はい。」

「師匠、後ろ!!!危ないです。」

ラージャンがすぐ後ろまで迫っていた。私は一撃もらう覚悟で閃光玉を投げる。せめてメアリーとアシュリーだけでも逃がそうと思った。

ヒュッ!!!
ラージャンの背後から弓矢が飛んでくる。
弓矢はラージャンの背中を貫通しラージャンは片膝をつく。

「た、助かった・・・。謎のハンターか。」

私は体制を立て直しラージャンを見る。

「毛色が元に戻っている。今だ、行くぞ、メアリー。」

「待ってください、師匠。私が先に行きます。」

今日のアシュリーは積極的だな。

「わかった、無理はするなよ。」

「はい、いきます。必殺!1日1回限定適当弓矢乱れ撃ち。」

多少ラージャンに命中しなかった弓矢はあるがラージャンには数十本の弓矢が刺さっている。

「はぁ、はぁ、はぁ、後はお任せします。」

「よくやった、アシュリー。行くぞ、メアリー。」

「はい、お師匠様。」

「いくぞ、必殺!1日1回限定適当大剣振り回し」

「いきます、必殺1日1回限定、超双剣乱舞。」

これだけの攻撃にもラージャンはまだ絶命していない。ラージャンは足を引きずり逃げようとする。

「やばい、逃がすな。」

しかし、3人共必殺技を使い追いかける体力がない。

ピカッ!!!
一瞬目の前に閃光が走る。閃光玉だ。

「ありがとう、謎のハンター。」

私は勇気を出してラージャンの足元に罠を仕掛ける。

「よし、今だ。」

私は最後の力を振り絞り力いっぱい大剣を振り下ろす。私の振り下ろした大剣はラージャンを完璧にとらえラージャンは絶命する。

「お師匠様、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。帰ろうか。」

「はい、肩をお貸しします。」

私はメアリーとアシュリーに肩を貸してもらい家路に着く。

「おかえ・・・、どうしたの?」

メアリーとアシュリーに肩を借りている私を見てセフィリアが尋ねる。

「いや、少し疲れただけだ。もう大丈夫だ。」

「そう・・・・良かった。」

セフィリアはホッとした表情に変わる。
そこまで私を心配してくれるのか・・・・・。
私は感動する。

「馬鹿ハンター、ちょっと・・・・」

私は外に連れ出される。

「あなた、またレイトウマグロを使ったでしょ?匂いを落とすまで帰って来ないでね。」

前言取り消し。感動などできない。
私は前回同様、ピーターさんにお風呂を貸してもらいようやく家に戻ることができた。


・・・・つづく。

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