第4巻マ

□第93話 双剣への憧れ!
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「師匠、起きてください。朝ですよ。」

アシュリーは無茶をしないからまだ眠っていても大丈夫だな。

「師匠、はぁ・・・・どうしよう・・・・・」

「アシュリー、こうするのよ。お師匠様、起きてください。」

メアリーがベッドの上にのり暴れる。それを見てアシュリーも暴れる。

「起きた、起きたからやめてくれ。」

私は根負けして起き上がる。

「おはようございます、お師匠様。」

「おはようございます、師匠。」

「おはよう。」

私達は食卓へ向かう。

「おはよう、足は大丈夫なの?」

昨日のドスファンゴの突進で私の右足は負傷している。

「まだ少し痛むな。まぁ、明日には治るだろう。」

「ということは今日は修業ですか?」

「ああ、そうだな。」

アシュリーが嬉しそうに聞いてくる。

「師匠、それでしたら私、双剣の修業をしたいです。」

「しかし、アシュリーの武器は弓だろう?弓の修業をしたほうが良いのではないか?」

「師匠、おっしゃったじゃないですか。修業をすれば双剣も使えるのではないかと。」

確かに双剣も良いとは言えないが悪くもない。

「それなら今日は基礎体力の修業をしよう。基礎体力は双剣の基本にして一番の必要要素だ。ハンターにとっても基本だからな。」

「はい、師匠。」

「基礎体力修業なら私も参加します。」

もはや恒例となったマリーの修業参加だ。

「姐御もやるのですか?大丈夫なのですか?」

「何を言っているのだ?私よりも基礎体力があるのだぞ、マリーは。」

「さすがは姐御です。」

私達は朝食を済ませ基礎体力強化の修業に入る。

「それではアシュリーは腕立て伏せ30回、腹筋100回、30メートルダッシュ20本を5セット。他はいつも通りの回数を5セットだ。はじめ。」

アシュリーの回数は減らしているが、それでもメアリーと大体同じくらいの時間を要する。やはりまだ少し基礎体力を鍛える必要があるな。

「アシュリー、頑張って、もう少しで3セット目終了だよ。」

メアリーに励まされアシュリーは何とか3セット目を終了する。

「5セット、終わりました。良い汗をかきました。先にあがらせてもらいますね。」

相変わらずマリーの早さは驚異的だ。私はと言うと4セット目の途中だ。

「そうだ、アシュリー。とりあえず今日は3セットで良いぞ。」

「どういうことですか?私、まだ大丈夫ですよ。」

といいつつもアシュリーの表情は疲労の色を隠せない。

「メアリー、メアリーが以前に使っていた双剣を持ってきてくれ。」

「???、はい、わかりました。」

メアリーが双剣を持ってくる。

「それでは密林へいくぞ。アシュリーはこの双剣を持つのだ。」

アシュリーは不思議そうに双剣を受け取る。

「では、アプトノスに双剣乱舞を叩き込むのだ。」

「師匠、少し休ませてください。先程まで修業をしていたのですよ。」

「疲れているからと言ってモンスターは待ってくれるのか?それに双剣というのは体力が無ければ使いこなせないのだ。」

「わかりました、やります。見ていてください。」

アシュリーはアプトノスに近寄り双剣乱舞を繰り出す。

「よし、いいぞ。次。」

アシュリーは再びアプトノスに近づき双剣乱舞を繰り出す。

「どうだ?まだ出来るか?無理はするなよ。」

「はい、大丈夫です。」

これはアシュリーの長所だろう、素晴らしい根性だ。

「よし、それまで。メアリー、アシュリーに肩を貸してやれ。」

「はい、お師匠様。大丈夫?アシュリー。」

「うん、大丈夫。ありがとう、メアリー。」

私達は家へと戻る。

「二人共、先にお風呂に入りなさい。」

「はい、お姉様も一緒に入りませんか?」

「今日はもう入ったからやめておくわ。」

メアリーは少し残念そうに私をみる。私は視線をそらし水を飲む。

「お師匠様、一緒に入りましょう。」

私は一気に水を噴き出す。

「あっ・・・・・・・」

噴き出した水がセフィリアに直撃する。

「いや、これは不可抗力だ。・・・・やっぱり怒ってる?」

「メアリー、やっぱり一緒に入りましょう。でも少し待っててね。」

「うぎゃ〜〜〜〜!!!ごめんなさ〜〜い!!」


・・・・つづく。

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