第4巻マ

□第92話 衝突!
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今日は何やら朝から騒がしい。これではゆっくり眠れないではないか。

「馬鹿ハンター、起きなさい。大変よ。」

「あ、あと5分・・・」

「さっさと起きろ〜〜〜〜〜!!!!」

「ぎえ〜〜〜〜!!!」

セフィリアのダイナマイトパンチですっかり目が覚める。

「何事だ?」

「メアリーとアシュリーがケンカをしているのよ。早く来て。」

「メアリーとアシュリーが?まさか。」

私がそう思うほど二人の仲は良かった。

「いいから、早く来て。」

私はセフィリアに腕を引っ張られて食卓へと連れていかれる。

「別に助けてなんて言ってないわよ。」

「でもアシュリーはまだ実戦慣れしていないから私とお師匠様が守らないと・・・・」

「恩着せがましいこと言わないでよ。それなら私を置いて師匠とメアリーが調査に行けばいいじゃない。」

確かに険悪な雰囲気だ。

「何をもめているのだ?」

私はセフィリアに詳細を聞く。

「今日も調査に行く、行かないから始まってアシュリーはまだ自信がないから修業したいと言ってメアリーは自分がアシュリーを守るからと言ってケンカが始まったのよ。」

「まるで子供のケンカだな。」

「当たり前よ、子供だもの。」

とにかく二人を仲直りさせなくては・・・・。

「アシュリー、メアリーも悪気があって言っているわけではないんだ。」

「あ、師匠、おはようございます。それはわかっていますけど・・・・」

「アシュリーはもう少し自信を持ったほうが良いな。もちろん慎重になることも大事だが。」

「はい・・・・・」

ゴンゴンゴン!!!
「センターの兄ちゃん、大変だべ。アルバートが猪に襲われているべ。」

「わかりました、すぐに行きます。」

「ほら、アシュリー、行くわよ。」

「わかってるわよ。」

まだ険悪だな。こんなことで狩りに集中できるのか?

「さて、アルバートさんはどこにいるのだ?」

私は密林の中でアルバートさんを捜す。

「だから解ってるって言ってるでしょ。危なくなったらちゃんと逃げるわよ。別にメアリーに守ってもらわなくても逃げ切れるわよ。」

「わかったわ、もう知らないから。」

はぁ・・・・・・、頭が痛くなってきた。

!!!!
「危ない。」

メアリーとアシュリーの背後にいたドスファンゴは二人に目掛けて突進する。
私は間一髪、二人を助ける。

「大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます、お師匠様。」

「し、師匠。足から血が・・・・。さっきの突進が当たったのですか?」

「このくらい大丈夫だ。それより気をつけろ、また突進がくるぞ。」

ドスファンゴは再び突進してくる。私は足に力が入らず横に回転し何とか突進をかわす。

「師匠、やっぱり無理じゃないですか。」

「そのようだな。二人でドスファンゴを倒すのだ。出来るな?」

「そんな、無理です。」

「では、私は逃げることも出来ないからここで死ぬことになるな。」

「わ、わかりました。やってみます。」

「それじゃあ、アシュリーは遠くから弓で援護して、私は接近戦で双剣乱舞を叩き込むわ。」

「わかった。」

先程までケンカをしていたのがウソのように二人の息はピッタリだ。

「いきます、必殺!1日1回限定、超双剣乱舞。」

二人のコンビネーションに成す術なくドスファンゴは絶命する。

「二人共、よくやった。すまないが肩を貸してくれないか。」

二人が私に駆け寄ろうとしたその時、

「メアリー、危ない。」

メアリーの背後にはランポスがいた。アシュリーはメアリーに駆け寄り何とかメアリーを助ける。
そしてランポスはメアリーの双剣乱舞の餌食になる。

「ありがとう、アシュリー。助かったわ。」

「私も夢中だったから。」

「二人共、今ので解っただろう?人が人を助けるのに理由や恩を着せるなんてものは存在しないのだ。大切な人ならなおさらだ。」

「はい、お師匠様。」

「はい、師匠。メアリー、ごめんなさい、さっきはヒドイこと言っちゃったね。」

「私こそゴメンね。恩着せがましいこと言って。」

二人は恥ずかしそうにハニカミながら仲直りする。

「それじゃあ、帰ろうか。」

「そうだね。」

私は二人のほほえましい光景にしばらく見入ってしまう。

「あっ・・・・・、メアリー、アシュリー、私を家に連れて帰ってくれ。お〜〜〜い・・・・・」

メアリーとアシュリーが私の事に気付き助けに戻ってきたのは二時間後のことだった。

・・・・つづく。

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