第4巻マ
□第91話 アシュリーの初陣!
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「ねえ、メアリー、何をするの?」
「アシュリーは見てるだけでいいよ。」
「もしかして、師匠を殴るの?」
「ダイナマイトパンチ!!!!」
「はがぁっ!!!!」
メアリーの自称ダイナマイトパンチが私の横っ面を見事にとらえる。当然のことながらセフィリアのダイナマイトパンチよりは痛くはないが、やっぱり痛い。
「おはようございます。お師匠様。」
「おはようございます。師匠。」
「おはよう、メアリー、アシュリー。」
そういえばマリーとアシュリーは昨日の夜に帰って来たのだったな。一週間とは早いものだ。
「師匠、今日からまた、宜しくお願いします。」
「ああ、今日は実戦だからな、気をつけるのだぞ。」
「ええ?じ、実戦ですか?それは急ですね。」
いつまでも寝室にいると二度寝をしそうなのでとりあえず食卓へと向かう。
「おはよう、馬鹿ハンター。あら、どうしたの?アシュリー。」
「師匠が今日は実戦だと言うので・・・・・」
「緊張しているの?」
「そうではなくて急すぎるのではないかと・・・・・・」
「大丈夫よ、馬鹿ハンターはおバカだけど修業に関しては信じてもいいと思うわよ。」
それは褒めているのか?けなしているのか?
「でも・・・・・」
「アシュリー、大丈夫だ。私が危ないと判断したらメアリーと一緒に逃げればいいのだから。」
「お師匠様、私は逃げませんよ。」
「そういうことではない。メアリーはアシュリーの護衛だ。」
「そういうことですか。わかりました、危ない時はアシュリーを守りながら逃げますね。」
メアリーが護衛すると聞いてアシュリーは渋々納得する。
「お待たせしました、朝食が出来ましたよ。」
私達は朝食を済ませ密林へ向かう。
「アシュリー、まずはアプトノスを倒してみようか。」
「実戦って草食種を倒すことだったのですか?」
「メアリーも最初の実戦はアプトノスだったからな。」
アシュリーは安堵の表情を浮かべる。
「メアリーはランポスなどが来た時に掃除を頼む。」
「はい、お師匠様。」
メアリーを監視に付けアシュリーをリラックスさせてアプトノスを倒させる。
「よし、いいぞ、アシュリー。その調子だ。」
相手がアプトノスということもあってアシュリーは完璧に弓を使いこなす。
「お師匠様、イャンクックです。どうしますか?アシュリーを逃がしますか?」
「いや、イャンクックなら大丈夫だ。」
私は閃光玉を取り出し投げ付ける。
イャンクックは視界を奪われる。
「アシュリー、今のうちだ。イャンクックに弓を撃つのだ。」
「は、はい、やってみます。」
アシュリーは緊張気味に弓を構える。一発目は少し外れる。
「アシュリー、大丈夫だ。しっかり狙って撃つのだ。」
「はい、師匠。」
二発目はしっかりイャンクックをとらえる。
「あとは鬼ごっこやドッジボールの修業を思い出して避けることに集中するのだ。いいな?」
「はい。」
私はアシュリーのしっかりとした返事に安心しイャンクックの討伐に向かう。
「いくぞ、メアリー。」
「はい、お師匠様。」
メアリーは待ってましたとばかりにイャンクックの足元にすばやく入り込む。
負けじと私もイャンクックの顔面に大剣を叩き込む。
「そろそろ行きますか?お師匠様?」
「よし、いくぞ、必殺!1日1回限定・・・以下省略。」
「いきます、必殺!1日1回限定・・・同じく以下省略。」
しかし、今日のイャンクックはしぶとい。かろうじで生きている。
「師匠、メアリー、危ない!!」
アシュリーが放った弓矢はイャンクックの眉間をとらえ貫通する。
イャンクックは絶命した。
「よくやった、アシュリー。おかげで助かったぞ。ありがとう。」
「いえ、夢中だったものですから・・・・」
アシュリーは褒められて赤面する。
私達は意気揚々と家に帰る。
「メアリー、今日は別にセフィリアに怒られることはないな?」
最近は私も智恵をつけてメアリーにチェックしてもらうことを覚えた。
「はい、大丈夫です。今日は朝も機嫌が良かったですし。」
私はそれを聞いて安心し家に入る。
「ただいま。」
「おかえり(怒)」
な、何だ?やっぱり怒っているではないか?私が何をしたのだ?
「馬鹿ハンター、私のプリン食べたでしょ?楽しみにしていたのよ。」
「ま、待て。私は知らないぞ。第一、私は甘いものは・・・・・」
「問答無用!!!!!」
「ぎゃぴ〜〜〜〜〜!」
私の言い分はセフィリアには届かずダイナマイトパンチの餌食になる。余談だが犯人はフローラだった・・・・・・。
・・・・つづく。