第3巻ユ
□第69話 ついに登場a`謎のハンター
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「エバンスさん、起きて下さい。朝ですよ。」
今日はマリーか・・・・珍しいな。
「マリーお姉さん、私が起こしましょうか`」
「大丈夫です。セフィリアさんにとっておきの起こし方を聞いていますから。」
いつものアレか・・・・マリーのはシャレにならないからな。
「いや〜、よく寝た。おはよ・・・・」
ズドーンaaa
私が起き上がると同時にマリーのダイナマイトパンチが私のベッドを貫く。
「ベッドを壊すんじゃないaというか手加減をしろ。私を殺す気か`」
マリーは頭をかいて舌を出すだけだ。
まぁ、いい。とりあえず朝食にしよう。
「おはよう、今日も謎のハンターを捜すの`」
「いや、今日はメアリーの修業をしよう。最近忙しくてマトモに修業をしていないからな。」
「何をするの`」
「広い場所で鳥を狩る。本格的な弓の修業だ。」
「それはいいとしてどうやって教えるの`」
それが一番の問題だ。何と言っても私自身弓が全く使えない。
「ピーターさんに教わったら`武器職人っていっても武器を買うのは馬鹿ハンターしかいないしヒマと思うわよ。」
確かにそうだろうけど・・・ハッキリ言わなくとも・・・。
「とにかくピーターさんに聞いてみよう。」
「先に朝食を食べてくださいヤヤヤ」
マリーに首ねっこを掴まれる。
私はマリーの迫力に押され朝食を食べる。
「それじゃあ、行きましょう、お師匠様。」
メアリーはかなり張り切っている。久しぶりの本格的な修業だからな。
「ピーターさん、メアリーの弓の修業に付き合って欲しいのですが`」
いくらヒマといっても職人堅気のビンセントさんの弟子。就業時間中だから無理だろうな`
「いいですよ。ちょうどヒマでしたし。」
「そんなのでいいのですか`ビンセントさんに怒られませんか`」
「師匠はエバンスさんとメアリーちゃんの役に立って来いと言っていたので大丈夫ですよ。」
確かに理屈では間違っていないな。とりあえず私はピーターさんに修業の内容を話す。
「結構難しいですよ。空き缶と違って相手が動きますからね。」
そういってピーターさんは上空に向かって弓を構える。
ビュッaaa
弓矢は見事に鳥に命中する。
「さ、流石ですね。コツを教えてください。」
「教わるより先に自分で考える事が大事です。メアリーちゃん、やってみて。」
「はい、やってみます。」
メアリーは弓を構えて鳥を追い掛ける。
ビュッaaa
見事に見当違いな所に飛ぶ。
「メアリーちゃん、目をつぶって私がどうやって矢を放ったか思い浮かべてごらん。」
メアリーは目をつぶりピーターさんの弓さばきをイメージする。
「あっaaわかりました。」
そういってメアリーは弓を構えて全く動かない。鳥が射程範囲に入るのを待っているようだ。
ビュッaa
今度は見事に命中だ。
「よくやったね、メアリーちゃん。でも今回は鳥だから良かったけどモンスターだったら攻撃してくるから避けることも必要になってくるから。」
「はい、ありがとうございます。ピーターさん。」
その後は鳥を狙っているメアリーに私が石を投げて避ける修業を行った。
「弓はまだまだ実戦では無理だな。しばらくは双剣のみで実戦に望もう。」
「はい、お師匠様。」
そこへドンパさんがやってくる。
「お〜い、兄ちゃん。その武器を使っている人を思い出したべ。ベルーガさんだべ。」
誰だよ`ヤヤヤ
「そのベルーガさんに会ったことがないのですけど。」
「アルバートの家の裏手だべ。」
「私のご近所さんですね。私もあったことがありませんね。」
これは怪しい。ご近所さんが会ったことがないとは・・・・・・。
私はセフィリアも呼んで早速ベルーガさんの家に向かう。
「すみません、ベルーガさん。いらっしゃいますか`」
ガチャaa
「どなただべか`ワシに何かようだべか`」
aaaaa
お、お年寄り`この人がベルーガさん`
「あの〜、ベルーガさんというのはあなたですか`」
「ああ、そうだべ。オメエさんは誰だべ`」
「私はエバンスといいます。ベルーガさんが弓の名手と聞きお邪魔させていただきました。」
「もう、三十年も前の話だべ。」
「さ、三十年って・・・その頃ってモンスターなどいなかったでしょ`」
「モンスター`何だベ`それは`ワシは鳥を弓矢で打ち落としていたべさ。隠居と同時にこの村に来たベさ。」
「帰るわよヤヤヤ」
「あ、はい。すみません、ベルーガさん。ありがとうございました。」
私はセフィリアの後ろを慌てて追い掛ける。
もちろん、セフィリアのオーラに圧倒されて帰り道は何も話せなかった。
・・・・つづく。