第3巻ユ
□第67話 逆転aa
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いつもと同じ朝、いつもと同じベッドにくる振動。
「メアリー、起きるからベッドから降りてくれ。」
「おはようございます。お師匠様。」
私達は食卓へ向かう。
「おはよう、今日も修業するの`」
「いや、今日は調査に行こうと思う。でも、メアリーのことは何も考えていなかった。」
「お師匠様、私もついていきます。」
「ダメだ。危険過ぎる。」
私はメアリーの提案を即却下する。
「どうしてですか`私もハンターですよ。」
「ハンターと言ってもまだ見習いだ。この前みたいに飛竜種が現れたら守る自信がない。」
私はまだ前回のことをひきずっている。当然だろう。
「あの〜、エバンスさん。これを持っていったらどうですか`」
私はマリーからビンを渡される。ビンの中には何か玉が入っている。
「これは何なのだ`」
「実はtomoさんが私を口説いている時にくれたものなんですけど・・・」
随分前の話だな。というか質問の答えになっていないぞ。
「実はそれ一つ落としてしまったのです。そうしたら・・・・・」
なんだ`はっきり続きを言えaaa
マリーは外に出てそのビンを投げる。すると一瞬閃光が走る。
「これは・・・・あの時と同じだ。
マリー、このビンのこと他の誰かに話したのか`」
「いえ、今初めて話しました。」
なるほど。しかしこれがあればメアリーを調査に連れていくことができるな。
「メアリー、調査に行くぞ。」
「はい、お師匠様。」
私とメアリーは密林へと向かう。今日は実戦ということもありメアリーには双剣を持たせる。
「いいか、メアリー。私が危ないと判断したらこのビンを投げる。そうしたらメアリーは家まで逃げるのだ。いいな`」
「はい、お師匠様。」
私の心配をよそに現れたのはイャンクックだ。
「メアリーはひたすら避けることに集中するのだ。炎もはくからな、ドッジボールの就業を思い出すのだ。」
「はい、大丈夫です。」
私は早速足元に入りイャンクックの足を斬る。
メアリーはしっかり集中してイャンクックの攻撃を避けているようだ。
「メアリー、炎だ、気をつけろ。」
「はい、お師匠様。」
しっかり余裕を持って避けるメアリー。これなら安心だ。
私も自分の仕事に集中し足を斬りまくる。
「よし、倒れた。メアリー、今だ。斬るのだ。」
私のゴーサインをうけるとメアリーは双剣乱舞をイャンクックに浴びせる。イャンクックはたまらず息絶える。
「よくやったぞ。」
私はメアリーの頭を撫でる。
「は、はい。ありがとうございます。お師匠様。」
メアリーは顔を赤くする。
「さて、帰ろうか。」
私達は村へ帰る。家に着くとセフィリアが考え事をしている。
「ただいま、どうしたのだ`」
「ええ、ちょっとピーターさんのことで考えていたの。」
「しかし、ピーターさんはシロだったではないか。」
「そういうことじゃないの。元ハンターっていうところよ。」
「それがどうかしたのか`」
私にはセフィリアの言いたいことがさっぱりわからない。
「私達って謎のハンターは外部の人間って決め付けていたじゃない`」
「当然だろ。この村にはモンスターがいなかったのだからハンターなんているわけがない。」
「それよ、私が言いたいのは。発想を逆転させるのよ。」
??????
私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。
「いい`モンスターがいないからハンターがいないではなくてハンターを辞めてモンスターがいないからここに来た。と考えるの。」
「か、考えてもみなかった。確かに有り得る。元ハンターといってもピーターさんのような凄腕もいるだろう。」
「そういうことよ。」
私達は発想を逆転させて村人達も候補にいれて謎のハンターを捜すことにした。
・・・・つづく。