第3巻ユ

□第66話 アリバイa`
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「馬鹿ハンター、起きて。ちょっと話があるの。」

セフィリアは真顔で私を起こす。今日はふざけるわけにはいかないな。

「どうしたのだ`」

「ピーターさんのことよ。彼は確かに怪しいけど確証がないわ。」

私も全く同じ意見だ。

「だからと言ってピーターさんに謎のハンターはあなたですか`と聞いても正直に答えるとは思えないが。」

「ビンセントさんがどこにいるのかわかれば彼に聞く事もできるんだけど。」

「エバンスさん、セフィリアさん、朝食の準備ができましたよ。」

私達はとりあえず朝食にする。

「なあ、メアリー。ビンセントさんはどこに住んでいるんだ`」

メアリーなら知っていると思い聞いてみる。

「私もわかりません。いつもお母さんに連れていってもらうので。」

ということはアリスさんならわかるということか・・・・。

「メアリー、アリスさんに会いにいこうか`」

「はい、行きます。お師匠様、早く行きましょう。」

私はメアリーにせかされて慌てて朝食をすませる。そして私一人では心配だということでセフィリアもついてくる。

「すいません、アリスさん。エバンスです。」

「は〜い、ちょっと待ってください。」

・・・・・・・・。

「どうしたのですか`あら、セフィリアさんとメアリーまで・・・・。」

私はアリスさんにピーターさんと謎のハンターのことをアリスさんに話す。

「あはははははは・・・・・・」

アリスさんはずっと笑っている。何かおかしいことでも言ったかな`

「ごめんなさい、有り得ないことだったから。」

どういうことだ`
ということはアリスさんはピーターさんのことを知っているということか`

「有り得ないこととはどういうことですか`」

「元旦那は女にはだらしないけど仕事には厳しい人なの。弟子がそんなにしょっちゅう抜け出して黙っているわけがないわ。」

私はそれを確かめる為にビンセントさんが住んでいるところを聞く。

「アリスさんはこれから仕事ですか`できればメアリーを預かっていてほしいのですが`」

「ごめんなさい。もうすぐ召集時間なの。」

「それならメアリーをビンセントさんと会わせることになりますが構いませんか`」

「今回は仕方ないですね。事情が事情ですから。」

私達はアリスさんに教えてもらった街に向かう。

「ビンセントさん、お久しぶりです。」

「おお、エバンスさん。ん`メアリーまで。」

「大丈夫です。アリスさんの許可をもらってあります。」

ビンセントさんはほっとした表情をする。

「実はピーターさんのことなんですけど。」

セフィリアが単刀直入に聞く。

「それは有り得ないです。外出は師匠の私の許可がないと無理ですから。それに私がここ1年でピーターに許した外出はつい最近にポッケ村に鉱産物を取りに行かせた一度だけですから。」

ピーターさんの証言と一致する。しかしビンセントさんもグルという可能性が・・・・・。

「一度だけって厳しくないですか`」

「それは就業時間中であって夜は自由ですよ。夜でしたらエバンスさんのいう謎のハンターは関係ないでしょ`」

う〜ん、また振り出しか・・・・・。

「でもピーターさんは話したこともないポッケ村の火山の実情を知っていました。これをどう説明しますか`」

セフィリアが鋭い質問をする。

「君達は知らないのか`村長が許可した人はポッケ村の火山の燃炭石を採ることが許されている。ピーターは許可されているから最近ポッケ村に行かせたんだ。」

ダメだ。全てのつじつまがあってしまった。ピーターさんは完全にシロだ。

「帰るわよ。馬鹿ハンター、メアリー。」

私達はポッケ村へ戻る。謎のハンターも振り出しに戻る。本当に一体誰なんだ`

・・・・つづく。

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