第3巻ユ

□第65話 ピーターの謎
1ページ/1ページ

今日はセフィリアか`メアリーか`どちらが私を起こしに来るのか`どちらにしても地獄だ。だからといって先に起きていようという気にはならない。

「お師匠様、起きて下さい。修業の時間です。」

「修業の前に朝食だ。朝食の前にそこから降りてくれ。」

私はメアリーをベッドから降ろすと眠い目をこすり食卓へと向かう。

「エバンスさん、おはようございます。早く朝食を食べてください。」

私はマリーにせかされて朝食をとる。

「セフィリア、すまないがまたメアリーの修業を見てやってくれないか`」

「それは構わないけど馬鹿ハンターはどうするの`」

「ピーターさんに探りをいれようと思う。」

「どうやって`」

「それは・・・・・まぁ、いろいろと・・・」

「いろいろって`」

「・・・・・・・・・」

「私もついていくわ。」

「メアリーの修業はどうするのだ`」

「早目に切り上げればいいじゃない。」

えらく簡単に言うなぁ。しかし私の頭脳ではピーターさんに探りをいれることが出来ないのも事実だ。

「仕方ない。メアリー、今日の修業は急ピッチで行くぞ。」

「はい、お師匠様。」

そうと決まればのんびりしている時間はない。急いで修業の準備をする。

「お師匠様、今日も弓の修業ですか`」

「そうだ。ただし、走りながら弓を引くのだ。」

「かなり難しいですね。必要なことですか`」

「当然だ。弓を引いているのをモンスターが黙って見ていると思うか`」

「それはそうですよね。わかりました。やってみます。」

最初はかなり手間取ったが慣れてくると見れるようにはなってきた。

「今日はこれくらいにしておこう。」

「私、まだ出来ますよ。」

「今からピーターさんの所に行くんだ。メアリーもついてきてピーターさんに教わるのもいいのではないか`」

「はい。是非連れていってください。」

ということで私とセフィリアとメアリーはピーターさんの店へ行く。

「あ、エバンスさん、武器のご注文ですか`」

「いえ、今日はメアリーに弓を教えてほしくて来たのですよ。」

「でも、私は元ハンターであって今は武器職人ですよ。現役のエバンスさんに教わったほうが良いと思いますけど。」

「それがねぇ、馬鹿ハンターって全く弓が使えないのよ。お願いできませんか`」

ピーターさんはしばらく考える。

「わかりました。尊敬する師匠の娘さんの頼みですからね。」

私とセフィリアは心の中でガッツポーズをする。

「なぁ、セフィリア`ここまでは予定通りだがここからどうするのだ`」

「私に任せなさい。」

私は言われた通りセフィリアに任せる。
ピーターさんは的確にメアリーにアドバイスをし手本も完璧にこなす。

「ねえ、ピーターさん`ピーターさんは現役を離れてどれくらいになるの`」

「そうですね、4年くらいですかね。」

「そのわりには完璧ですね。現役でも通用しますよ。」

「一応、私も日々の鍛練は欠かさないので。自分の身は自分で守らないといけませんから。」

う〜ん、当たり障りない受け答えだ。どうするセフィリア`

「ポッケ村に来たことがあるそうね`いつ来たの`」

「つい最近も来ましたよ。ここの鉱産物は武器にも使えますので。村長さんとも顔なじみですよ。」

「私、村長の孫だけどそんなこと一言も聞いていないわよ。」

「え`村長さんのお孫さんだったのですか`」

やっぱり食えない男だ。さすがにセフィリアもお手上げだろ`

「この村に住むなら火山には近付かないほうがいいわよ。」

「そうですね。ショウグンギザミがいますからね。」

aaaaaaaaaaa
何故、そんなこと知っているのだ`
ポッケ村にモンスターが現れたのは最近のことだ。しかも火山にショウグンギザミがいるのを知っているのは我々だけのはず・・・・・・・。

「ピーターさん、今日はありがとう。
メアリー、帰るわよ。」

「はい、お姉様。」

私達は家へ帰る。

「どう`」

私はセフィリアに聞かれてショウグンギザミのことを話す。

「やっぱりそこはおかしいと感じたみたいね。私も同意見よ。」

やはりピーターさんが謎のハンターなのか`
でも確証がない。確証さえ掴めば・・・・・。

・・・・つづく。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ