第3巻ユ

□第64話 それぞれの出会い
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「馬鹿ハンター、起きなさい。メアリーの修業はどうするの`馬鹿ハンター。」

もう聞き慣れたがいい加減に馬鹿ハンターはやめてくれないか`・・・・とは口に出して言えない。よくよく考えたらセフィリアは初対面の時から馬鹿ハンターと呼んでいるのではないか`

「何をブツブツ言ってるの`さっさと起きなさい。」

私はセフィリアの言葉で我に返り食卓へ向かう。

「エバンスさん、おはようございます。朝食、もうすぐできますから。」

マリーはたしかセフィリアを追ってポッケ村に来たのだったな。

「ご主人様、コーヒーにゃ。」

マシューは衝撃だった。猫がしゃべるうえに雇えときた。

「ちょっと、馬鹿ハンター`さっきから気持ち悪いわよ。ブツブツと。」

「あ、ああ。すまん。」

「お待たせしました。朝食です。」

マリーはメアリーを起こしにいく。
・・・・・・・・

「おはようございます。すみません、寝坊してしまいました。」

私達は朝食をすませ食後のコーヒーを飲む。

「ねえ、馬鹿ハンター。朝から何を考え事してるの`」

「いや、みんなと出会った時の事を思い出していたのだ。」

「お師匠様、お話聞かせて下さい。私、ここに来たの1番最後だから聞きたいです。」

私はまずセフィリアとの出会いから話す。ポッケ村にモンスターが来る事を教えに来た事や村長の孫と聞いて驚いた事を話した。

「で`お師匠様のお姉様に対する第一印象はどうだったのですか`」

「それは私も聞きたいわ。」

「私も聞きたいです。」

メアリー、セフィリア、マリーが期待に満ちた目で私を見る。いや、無言でそれ以上に期待に満ちた目をしている人がいた。フローラだ。

「まぁ、第一印象は綺麗な人だなぁ、とは思った。すぐに性格に難ありだと気付いたが。」

もちろん私はセフィリアのダイナマイトパンチを喰らう。

「次は私との出会いですよね。」

マリーに促されマリーとの出会いを話す。学者見習いという嘘をついた事やセフィリアを追いかけて来たことを話す。

「マリーお姉さんの第一印象はどうだったのですか`」

「綺麗というよりは可愛いという印象だったな。その時はまさか年上とは思わなかったし。」

「え〜`マリーお姉さんってお師匠様より年上なんですか`」

「はい。そうみたいです。私も驚きました。」

私はショックで三日間パニックになったぞ。

「次は俺ニャ。」

マシューとの出会いは衝撃だった。何しろ猫がしゃべるのだから。私はマシューとの出会い、マリーとの料理対決の話をする。

「マリーお姉さんが勝ったのにどうしてマシューさんを雇うことになったのですか`」

私は勝負の後のいきさつを話す。

「いいお話ですねぇ。」

「それでは私のお話ですね。」

私はフローラとの出会いを話す。道に迷っていたフローラを案内したことやセフィリアとマリーの知り合いだったことを話す。

「で`ハンターさん、私の第一印象は`」

「今でも第一印象通りだ。上品な女性だという印象だな。」

「ありがとうございます。」

「最後はメアリーだが全員がいきさつを知っているだろ`」

「でも、メアリーへの馬鹿ハンターの第一印象を聞いていないわ。」

「まぁ、ハンター志望には驚いたが単純に可愛い子だなぁという印象だ。」

「ありがとうございます、お師匠様。私、嬉しいです。」

まだ一年も経っていないのに思い出してみると懐かしいものだ。

「ところで、みんなの私の第一印象を聞いていないのだが`」

すると一斉に同じ答えが返ってくる。

「変な人。」

私は愕然として落ち込む。

「ちょっと、今は違うわよ。そんなに落ち込むことないじゃない。」

私の耳にはセフィリアの慰めの言葉が入ってこない。
実際、私が立ち直ったのはその日の夕方だった。

・・・・つづく。

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