第3巻ユ

□第61話 オフa
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「お師匠様、起きてください。早く。」

私はいつものように無理矢理起こされる。流石にこれに慣れることはない。ある意味最強の起こし方だろう。

「わかったからベッドの上で暴れないでくれ。」

私とメアリーは食卓へ向かう。

「おはよう、今日は何をするの`何か手伝うことはある`」

「いや、今日は修業は休みだ。休むことも修業だからな。」

私は最近のメアリーのオーバーワークが気になっていた。しっかりしている子なので忘れていたがメアリーはまだ10歳だ。

「お師匠様、私なら大丈夫です。修業をしましょう。」

「ダメだ。言っただろう`休むのも修業だ。」

「ぶぅ・・・・」

メアリーはスネる。この年頃の女の子はスネるとややこしい。私はセフィリアに助け舟を求める。

「あ〜あ、私は知らないわよ。」

なんて薄情な女だ。私は何とか機嫌を取ろうと頑張るが効果はない。

「そうだ、セフィリアと買い物に行ってきたらどうだ`」

「はい、お姉様行きましょう。」

セフィリアは覚えていなさいという目で私を見て外へ出て行く。

「あれ`セフィリアさんとメアリーさんはどうしたのですか`」

「買い物に行ったぞ。」

「朝食はどうするんですか`ヤヤヤ」

すっかり忘れていた。私はマリーに散々怒られた。今日は女難の相があるようだ。

「ハンターさんも大変ですね`」

一部始終を見ていたのか`フローラが笑いながら研究室から出てくる。

「どうしようか`買い物から帰ってきたら、またメアリーの機嫌を取らなければいけない。」

「メアリーさんのお母様のところへ連れていってあげればいいじゃないですか`」

「それだ。有難う、フローラ。」

セフィリアとメアリーも帰ってきて朝食をすませる。

「なあ、メアリー`」

「何ですか`ヤヤヤ」

セフィリアの怒りオーラと同じだ。怖いぞ。

「アリスさんのところに行ってみないか`」

「はい、行きます。お師匠様、早速行きましょう。」

ものすごい勢いでメアリーの機嫌がなおる。
私はメアリーに手を引かれて村を出る。
途中、ブルファンゴやランポスといったザコモンスターと遭遇する。

「メアリー、倒してみろ。ブルファンゴの突進には注意しろ。」

「はい、お師匠様。」

メアリーはブルファンゴが立ち止まった瞬間を見逃さずに双剣乱舞をくりだす。ザコモンスターくらいならもう問題はないだろう。

「よくやったな。」

メアリーは褒められて顔を赤くする。
アリスさんから聞いた街に着くが結構広い。

「すみません、ハンターのアリスさんを探しているのですが・・・」

「ああ、隊長さんの家ならすぐそこだ。」

さすがアリスさん、異動から間もないのに名前がもう知れ渡っている。
私はアリスさんの家へ向かう。

コンコンaa
「アリスさん、エバンスです。」

「どうしたんですか`あら、メアリーまで。」

「はい、最近メアリーの修業がオーバーワークだったので今日はオフにしたんです。」

「そうですか。まあ、とにかく中に入ってください。」

私達はアリスさんの家の中に入る。

「ねえ、お母さん。昨日お父さんが来たよ。それで弓をもらったの。」

「あの人の武器は長持ちして強いから大事に使いなさい。」

「はい。」

「すみません、忙しくなかったですか`」

「今日は夕方集合だから少しなら大丈夫ですよ。私もメアリーに会えて嬉しいですから。」

やっぱり親子離れて暮らすのはお互い辛いだろうな。
私達はアリスさんの手料理で昼食をいただく。

「やっぱり、お母さんの料理が一番おいしい。」

メアリーの一言でアリスさんの表情が一段と和らぐ。今日は連れて来て本当に良かったと思う。
そう思いながら私達はポッケ村へと帰る。

・・・・つづく。

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