マ第10巻マ

□第274話 師弟対決!
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バキッ!!

「おごぉっ!!」

いつもの早朝不意打ちダイナマイトパンチだ。
しかし、いつもと違うのは今日はメアリーのプチダイナマイトパンチだ。

「お師匠様、おはようございます。」

メアリーはハイテンションだ。
昨日半日暴走の影響で眠っていたメアリーは充電たっぷり。
さらに昨日・・・

「あ、メアリーおはよう。」

「あれ?お母さん、まだ居たの?」

メアリーが心配で目を覚ますまでアリスさんは待っていた。

「昨日はお疲れ様。よく頑張ったわね。」

「でも、全然覚えていないの・・・・」

「頑張り過ぎてイャンクックを倒してすぐに疲れて眠ったのよ。」

ニーナがごまかすようにメアリーに説明する。

「でもニーナさんから聞いたわよ。凄いじゃない。これからもエバンスさんの言うことをちゃんと聞いて修業に励みなさい。そうすれば私を越えられるわよ。」

「うん。ちゃんとお師匠様の言うことを聞いて頑張るからね。」

という具合にアリスさんに褒められたこともありメアリーのテンションは最高潮なのだ。

「ほら、お師匠様。ダイニングに行きますよ。」

私はメアリーに腕を引かれダイニングへ向かう。

「おはよう。」

「おはよう、ニーナ。セフィリアは?」

私の問い掛けにニーナは牛乳を飲みながらリビングを指差す。
まだ仕事中か・・・

「お師匠様、今日は何をしますか?」

「別に今日は何も決めていないな。」

「それならば勝負しましょう。」

メアリーが私に勝負を挑む。
ハイテンションのメアリーには逆らえないな。

「何で勝負するのだ?」

「もちろん早狩りです。」

「ダメだ。」

「どうしてですか?」

私は一昨日のメアリーの暴走が頭をよぎり即答で拒否する。

「早く狩猟すれば良いと言うものではない。確実にケガなく狩猟することがベストなのだ。」

「それもそうですね。」

メアリーは納得と頷く。

バキッ!!

「おごぉっ!!」

いきなりセフィリアのダイナマイトパンチが飛んでくる。

「な、何をするのだ?」

「だから、どうしてメインヒロインの私の登場がこんなに遅いのよ?」

だから全く意味が解らないんだが・・・
メインヒロインって何だ?

バキッ!!

「おごぉっ!!」

今度はマリーの剛腕パンチだ。
私は大人しく朝食をいただく。

「それでは勝負の内容を発表する。」

私は実戦ではなく修業でメアリーと勝負することにする。

「まず、ここから400メートル離れたあそこの木まで走る。」

「はい。」

「木にタッチして戻ってきたら腕立て伏せを100回。もう一度木まで走って戻ってきたらこんどは腹筋を100回。これを3セットだ。」

「解りました。」

「メアリー、ダッシュで差をつけないと勝てないわよ。」

ニーナがメアリーに助言する。
ま、私もダッシュに関してはメアリーに対するハンデと考えていた。

「解りました。頑張ります。」

「アシュリーには3分先にスタートしてもらう。それでニーナに勝てるように頑張るのだ。」

「はい。」

まずはアシュリーがスタートする。

「お師匠様、手加減はナシですよ。」

「もちろんだ。私もまだまだ弟子に負けるわけにはいかないからな。」

3分のハンデがあるアシュリーは戻ってきて腕立て伏せを始める。

「よし、3分だ。」

私達もスタートする。
もちろん瞬発力とスピードが優れているメアリーが先頭を走る。

「やっぱり速いな。」

私は自分のペースを守りメアリーを追う。
私が戻った頃にはメアリーは腕立て伏せを50回済ませている。
ニーナも10回ほどクリアしている。

「それではお先です。」

メアリーが腕立て伏せを済ませて再び走りだす。
私はニーナに追い付き同時にスタートする。

「エバンス、やばくない?」

「ニーナこそアシュリーに勝てるのか?」

私達がスタートしてすぐにアシュリーとすれ違ったのだ。

「それじゃあ、お先に。」

ニーナもスピードには自信を持っている。
私を置いて猛ダッシュでアシュリーを追い掛ける。

「やっぱりダッシュではニーナとメアリーには勝てないな。」

私が再び戻るとメアリーは腹筋を40回終わらせている。

「本当にヤバイかも。」

私は大急ぎで腹筋を開始する。
私は意地でメアリーに追い付く。

「さ、さすがお師匠様です。」

メアリーは得意のダッシュで再び私を突き放す。
しかし、大人と子供では基礎体力に差がある。
メアリーはバテてきた。
3セット目の腕立て伏せでついに私は逆転する。

「それじゃあ、お先に。」

私とアシュリーが最後のダッシュを同時にスタートする。

「頑張れ、アシュリー。もう少しだ。」

「はい。」

恐らくこのペースではアシュリーはニーナに抜かれてしまうだろう。
しかし、ここまでリードを保ったのは成長だ。

「おっと、感心している場合ではない。私もこのままではメアリーに抜かれてしまう。」

私とメアリーがすれ違う。その距離およそ300メートルだ。

「ダッシュで追いつかれない限り負けることはないだろう。」

私は懸命に走り元の場所に戻る。
すぐ後ろからニーナとメアリーが同時に戻ってくる。

「最後の腹筋勝負ね。頑張ってメアリー。」

ニーナがメアリーを励ます。

「はい。」

「ニーナ、余裕だな?アシュリーも戻ってきたぞ。」

完全に横一線だ。
しかし師匠として負ける訳にはいかない。
私は全力で腹筋にとりかかる。

「78・・79・・80」

私はちらりとメアリーを見る。
まだ40回だ。これで大丈夫だな。

「何してるの?」

「レ、レイラ!?」

「邪魔しないでください。お師匠様と勝負しているのです。」

「あら?あなたは5年後に私の愛人に・・・」

「なりません!!」

とにかく、ややこしい人間が来たことには変わりない。

「ほら、男なんかに負けないで頑張りなさい。」

といいつつ微妙に私の邪魔をするのはやめてくれ・・・・

「78・・・79・・・80」

や、やばい。メアリーに追いつかれる。

「レイラ、邪魔をしないでくれ。」

ムニュ!!

レイラを払いのけようとした私の手はレイラの胸に触れてしまう。

「どこ触ってるのよ!!このドスケベ!!」

バキッ!!

「おごぉっ!!」

あと腹筋1回で終わりだったのに・・・・

「お師匠様、大丈夫ですか?」

気絶している間にメアリーは修業を終えている。
レイラはと言うと既にベッキーが連れて帰ったようだ。

「お師匠様、この勝負はお師匠様の勝ちです。レイラさえ邪魔しなければ完全にお師匠様の方が早かったですから。」

「いや、それよりもメアリーとアシュリーの成長の方が私は嬉しいぞ。」

結局アシュリーもニーナには勝てなかったが最後のダッシュまでリードを保っていたのは凄い成長だ。
メアリーに至ってはハンデなしでほぼ互角に競っていたのだから。

「でも、お師匠様に残念なお知らせが・・・」

「ん?何だ?」

「レイラに殴られたのはオチではないようです。」

「な、何だと?まだ何かあるのか?」

私はあれがオチだと確信していたのだ。
それではどこがオチになると言うのだ?

「私に聞かれても解りません。作者に聞いてください。」

だから作者って何だよ・・・・

「とにかく家に戻りましょう。」

私達は家に戻る。

「お帰り。どうだった?」

「やっぱり、お師匠様には敵いませんでした。」

「いやいや、それでも二人の成長は凄いぞ。私も師匠として鼻が高い。」

「へ〜。馬鹿ハンターも抜かれないように頑張りなさいよ。」

「ああ。解ってる。」

「あ、お師匠様。成長といえば私の胸、少し成長しましたよ。触ってみますか?」

メアリーは私の手を掴んで胸に持っていこうとする。

「やめなさい。女の子がそんなことをしてはいけません。」

私は手を払いメアリーに説教する。

「その割には嬉しそうな顔をしてるわね?」

セフィリアはとてつもないオーラで私に迫る。

「そんな訳ないだろ。相手は子供・・・」

「問答無用!!」

バキッ!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

「やっぱりお師匠様のオチはこうでなくっちゃ。」

り、理不尽だ・・・・・


・・・・つづく。

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