第2巻ユ

□第44話 番外編a謎のハンター登場a
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彼は珍しく早くに目覚めたようだ。彼というのはハンターのエバンスのことだ。
私は村長さんとの約束で名前も顔も明かすことができない。
なぜそんな約束をしたのかは今後の本編で明らかになると思うので今は語らずにいよう。

「はあ、早起きってこんなにヒマなのか。」

不意に彼が家の外にでる。私は念のために彼を見張る。

「あ、アルバートさん。防具ありがとうございました。」

どうやら、鉱石職人のアルバートさんと話をしているようだ。

「わかりました。火山の調査のついでに行ってきます。」

どうやら今日は火山に行くらしい。私は村長さんが用意してくれた隠れ家に戻り弓矢を持って火山に向かう。

「遅い・・・・。」

私は待ちぼうけをくらう。村長さんとの約束とはいえ、バレずに尾行できるだろうか`
そこへ彼がやってくる。
彼は一目散に火山の頂上付近へと向かう。

「大胆というか不用心というか・・・」

私は呆れ返る。
彼は頂上付近で燃炭石を掘っているようだ。恐らくアルバートさんに頼まれたものだろう。

「ぶ、不用心すぎる。一心不乱にピッケルをふりおろして、モンスターが来たらどうするつもりだ`」

私の予感は的中する。案の定ショウグンギザミに背後から襲われる。

「くそ〜、油断した。これでは1日1回限定適当大剣振り回しが使えないではないか。」

「何`その技は`一度見てみたい。」

私は思わずツッコミを入れてしまう。しかし彼には聞こえていないようだ。

「へえ〜、基本はしっかりしているな。」

ショウグンギザミの武器であるハサミに細心の注意を払う彼を見て関心する。

「逃がすか。」

「不用意に追い掛けるな。罠かもしれない。」

私は思わず声に出すが彼には聞こえない。
案の定罠だった。彼はショウグンギザミに上から乗られて気を失いかけている。

「しょうがない。」

私はショウグンギザミにありったけの弓を放つ。ショウグンギザミは倒したが彼は本当に気絶したようだ。

「火山にクーラードリンクなしで来るなんて自殺行為だ。当然の結果だろう。」

私は気絶した彼に近寄りクーラードリンクを飲ませる。

「これで大丈夫だろう。目覚める前に帰ろう。」

私は村長さんの家へ向かう。

「どうしたんだべ`」

「彼は危ないですね。基本はまあまあできていますけど、一言で言えば単純です。」

「ワシもそう思うべ。」

「ですから私が時々彼のフォローに回ります。いいですね`」

「それは危険だべさ。顔を見られたらどうするべさ`」

「大丈夫です。基本的には何もしませんから。彼が危ないと判断した時にしか行動しません。」

村長さんはしばらく考え込む。

「彼が死んでしまったらハンターは私しかいなくなるんですよ。そうなったら彼女にバレてしまいますよ。」

「わかったべ。くれぐれもバレないように頼むべ。」

村長さんはしぶしぶ私の提案に納得した。

その頃 エバンス達は・・・・・

「ねえ`その謎のハンターってこの小説に登場しているのかしら`」

「言っている意味がよくわからないぞ。何だ`小説って`」

「いいのよ。難しく考えないで。」

「まだ登場していないのならまた新しい人が増えていくのか`覚えきれるかな`」

「あなたの脳みそでは無理かもしれないわね。」

「くそ〜、絶対覚えてやる。」

「読者のみなさんはどう思いますか`私はまだ登場していない人物だと思います。」

「誰に話しているのだ`
私はすでに登場している人物が謎のハンターだと思うぞ。」

「賭ける`」

「何をだ`」

「負けたほうが勝ったほうの言うことを一つだけ聞くのってどう`」

「よし、乗った。」


・・・・番外編 完。

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